似太郎

マンディンゴの似太郎のレビュー・感想・評価

マンディンゴ(1975年製作の映画)
5.0
【調教・レッスン】

左派だったリチャード・フライシャー監督。ここに来て『風と共に去りぬ』の逆バージョンであり、人種差別映画の金字塔を作ることに成功した。その悪夢的ビジョンは真に圧倒的。🤯

巨大農園を経営する白人権力者マクスウェル(ジェームズ・メイスン)により踏み躙られる黒人奴隷と、その権力者の息子ハモンド(ケン・ノートン)とデキてしまう黒人女性エレンとの恋愛模様を軸に「野蛮なアメリカ国家🇺🇸の実態」にメスを入れたB級エクスプロイテーション・フィルムの傑作で、とにかく正視に耐えない程怖ええええ!!!🫣

牧歌的なアメリカ南部の映像と被さり悍ましい黒人リンチが怒濤の如く描かれており観ていて吐き気がしてくる。🤮
制作はディノ・デ・ラウレンティス。あのタランティーノが『ジャンゴ/繋がれざる者』を作る際に参考にしたとも言われる作品。🍉🐴

観れば観るほど相当な意欲作であり力作。やはりフライシャー監督の人間性への懐疑心は『絞殺魔』同様に物凄く、70年代という不景気な時代を象徴するが如く映画史に屹立する人種差別モノの最高峰に君臨する映画だと思う。

今も昔もアメリカのやっている事は殆ど変わらず、といった一種の皮肉を読み取る事もできる。この世の定めか、あゝ無情…といった諦念をヒシヒシと感じる漆黒の人間ドラマ。これこそが「モノホン」の映画、必見じゃよ!🔥
似太郎

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