このレビューはネタバレを含みます
こちらもなかなか観られなそうな作品と思い、鑑賞。とても面白かった。戦争によりとても社会が厳しい状況の中でこんなにもそこから切り離された物語を作り出していたことに脱帽だし、物語の持つ意味、映画の存在意…
>>続きを読む頑張れの連呼がゲシュタルト崩壊みたいになってきて楽しい。情緒的イリュージョン、分かるけれど美人・不美人がどうとかは現代にそぐわなすぎてそれも面白い。
喜劇ってきっとこういう映画のことを言うのだなと…
結構流れの早い川の飛び石を笠智衆が渡るシーンの異様さに震える。子供二人組は「おじさんがんばれ!」としか言わなし、途中リタイアしてからは田中絹代がおんぶして残りを渡り切る。ここでも子供は「おばさんがん…
>>続きを読む集まって別れる他者。土橋式松竹フォーン。冒頭。杉林の道を歩く参拝者をカメラが後退して正面から映すのは。木橋を渡るスペクタクル。小柄な田中絹代が笠智衆をおんぶして石を積んだただけの橋を渡る。大広間に集…
>>続きを読む「一夏の思い出と戦争の影」
巨匠清水宏監督作品で、1941年の太平洋戦争前に作られた日本ヴァカンス映画の原点とも言えるコンパクトな傑作。
山梨県の下部温泉が舞台で、そこに東京から集まったと思われ…
温泉で足に簪が刺さったのを情緒的と言う笠智衆の言葉を、周囲が拾って「イリュージョン」に仕立てあげる。いびき合戦をする学者と老人や、橋を渡る按摩さんにまで、「がんばれがんばれ」と声を掛ける子どもらのお…
>>続きを読む冒頭の縦に移動するカメラと次のシーンの横移動のカメラで十字を切り、正確な線が引かれたマス目に水面の揺らぎが際立つ。不思議なぐらい奥行きがあって、温泉地が目の前に広がってた。『按摩と女』っぽいけど、も…
>>続きを読む他の作品もそうだが、簪、蛇の目傘、一本橋、樹木、温泉、子供、老人、按摩、経文など呪的、神話的なアイコンはこの作品では特に目立つ。
簪が足に刺さると言うのは何か神話的な寓意を思わせる。その傷が癒えたと…