ミラーズさんの映画レビュー・感想・評価

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生き残った者の掟(1966年製作の映画)

5.0

「暗黒街出身の経歴から小説と脚本で名を馳せた家ジョゼ・ジョヴァンニの初監督で、力足らずな面もあるが不思議な魅力に満ちた作品」

ビデオでは何度か鑑賞して原作も読んだが、今回は新宿K's cinemaの
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

5.0

「前作と同じ演出とビジュアルとデザインで描かれる貴種流離譚の第二章!IMAXがオススメかな」

先行上映にて鑑賞したが、前作のPart1同じ監督や撮影にもちろん主演俳優も同じなので、作品作りやテイスト
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アアルト(2020年製作の映画)

5.0

「ドキュメンタリーとしても貴重な映像とインタビューで構成されてナレーションも最低限で北欧家具のようにシンプルな作り」

代表的な建築をドローンのハイアングルなどで、見るといかにモダンかつハイセンスな設
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

5.0

「独裁者フランコへのレジスタンス的映画でもあった『ミツバチのささやき』から引き継がれたものと解放された映画」

失踪した俳優と監督の関係を軸に紡ぐ人間ドラマとしての側面と創作や映画に憑かれて漂う人(エ
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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

5.0

「予想以上に、王道な展開とメッセージの入った映画で20年前の種は発芽して傑作になった!」

結論から述べると、冒頭からガッツリ見せ場があり、初見でもリテラシーが最低限有れば分かる範囲で、人物や展開もさ
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簪(かんざし)(1941年製作の映画)

5.0

「一夏の思い出と戦争の影」

巨匠清水宏監督作品で、1941年の太平洋戦争前に作られた日本ヴァカンス映画の原点とも言えるコンパクトな傑作。

山梨県の下部温泉が舞台で、そこに東京から集まったと思われる
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緑の光線(1986年製作の映画)

5.0

「35mmフィルムに刻まれた緑の光線と現在のソフトでは再現出来ない緑の光線」

本作を最初に見たのは、15年以上前に、場所も想い出せない都内の地下にあるミニシアターのオールナイト(確か50席以下)
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一晩中(1982年製作の映画)

5.0

「エドワード・ホッパーの絵を彷彿させる夜の街や早朝の風景と映画に時折見れる極上の漆黒にうっとりできる逸品」

ブリュセルの深夜から夜明けまでの群像を見せる作品だが分かりやすいドラマは無く、ロケ撮影され
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風の慕情(1970年製作の映画)

5.0

「吉永小百合主演でオーストラリアロケも敢行した大作だが、ちょっと饒舌過ぎる脚本はあの人!」


冒頭の深い緑の木々を美しく捉えるカメラからの始まりに大いに期待を抱かせるが、スタッフのクレジット見るとそ
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

5.0

『監禁された街と少女を中心にした青春と成長を美しく映像で綴る良編』

エグ味が癖になるアニメ脚本で、注文している脚本家岡田麿里の二作目の監督作品

前作である初のアニメ監督作品『さよならの朝に約束の花
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土砂降り(1957年製作の映画)

5.0

『中村登監督の再評価のきっかけになった一本で、物語や演出は元より舞台設定なども見所あり』

東京フィルメックスの時に作成された英語字幕入りプリントで、画質は悪くない。

浅草付近の下町(南千住付近の労
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女の橋(1961年製作の映画)

5.0

「花柳街物を以前から手掛けている田中澄江脚本で、歯切れ良いテンポもカット割りも快調な作品」

ネタバレあるよ!


花柳街物を以前から手掛けている田中澄江脚本で、とても歯切れ良い展開と演出で、こりゃ面
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宝島(2018年製作の映画)

5.0

「『7月の物語』を彷彿させるレジャーパークでの夏を切り取ったセミ?ドキュメンタリー」

日本でも評判になったギョーム・ブラック監督作『7月の物語』の第一部で舞台となったレジャー施設のひと夏を切り取った
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クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

5.0

「ロッキーの登場しない違和感を独立した作品と割り切るかで見方も変わるが監督デビューとしては悪くないかな」


クリードシリーズは、前二作の出来も良くやはりロッキーの晩年を描く部分のウエイトも多くて、世
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殺すまで追え 新宿25時(1969年製作の映画)

5.0

「無断でリメイクされた?フリッツ・ラングの傑作が元ネタの「復讐は天知に任せろ!」


刑事の天知茂の同僚が高級マンションで自殺した事件を捜査するマイホームパパ(⁈)なのにハードボイルド刑事(?)の天知
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無法松の一生(1958年製作の映画)

5.0

「戦前と戦後を比べることで、日本映画から何か奪われたのか?分かる名作でもある」

午前10時の映画祭で、稲垣浩監督の名作『無法松の一生』を戦前と戦後版を同時期に公開する粋な計らいがあり連続鑑賞。

1
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無法松の一生(1943年製作の映画)

5.0

「戦前と戦後を比べることで、日本映画から何か奪われたのか?分かる名作でもある」


午前10時の映画祭で、稲垣浩監督の名作『無法松の一生』を戦前と戦後版を同時期に公開する粋な計らいがあり連続鑑賞。
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グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

5.0

「テレビシリーズの後日譚と残った伏線を回収しつつヒーローのユニバース物としてファンサービスの満点映画」

今回の映画は『SSSS.GRIDMAN』と『SSSS.DYNAZENON』のテレビシリーズを見
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

5.0

「初期のテレビ版仮面ライダーのビジュアルをキープして庵野作品特有の映像と設定の羅列で構築された作品」


冒頭から惜しげなく展開する追跡とアクションが小気味良くて掴まれるが、すぐに説明と設定の羅列が入
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

5.0

「映画音楽の巨匠モリコーネの生い立ちから晩年までを音楽と映像で丁寧に構成した逸品!音楽は映画でもあり映画は音楽でもある!必見!」


上映時間157分を長い!おっしゃる方もいると思いますが、60年代後
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闇を裂く一発(1968年製作の映画)

5.0

「峰岸徹主演で黒澤明の野良犬を彷彿とさせるところもある佳作!」

射撃部門でメキシコオリンピックの強化合宿中の新人警察官が、子供を誘拐した凄腕の凶悪ライフル魔の対策で捜査に駆り出される。

当時新人だ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

5.0

「大地を鎮める御役目とロードムービーを新海解釈で描く娯楽作品」

ネタバレあり








東北の震災を題材にした作品なので、公開後にTwitterなどで、一部識者から震災をネタに商売してると嫌悪
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壁画・壁画たち(1981年製作の映画)

5.0

「アニエス・ヴァルダの日本未公開作だが晩年の『顔たち、ところどころ』の原型にも見える」

1980年当時のロサンゼルス裏面ストリートの雰囲気がとても興味深い映像で、壁画アーチスト達の活動や成り立ちを、
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タイム・ガーディアン(1987年製作の映画)

5.0

「構想10年製作期間3年のオーストラリア史上最高額の製作費をかけたSF大作と俺たちを裏切った女」

この映画で思い出すのは、本作のビデオ発売前に、当時の角川書店発行の雑誌『ビデオでーた』とのタイアップ
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ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV(2021年製作の映画)

5.0

「スタローンの心境の変化とアポロとドラコへの掘り下げと初期幻エンディングを実現したもう一つのロッキー」

80年代を代表する大ヒット作で、当時のトレンドや冷戦を知らない人にはどう見えるのか、分かりませ
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レッドライン7000(1965年製作の映画)

5.0

「本格的レース映画の元祖で、カーアクションは豪快だが、複数男女の物語は、コメディ要素もなくもたつくのが玉に瑕のホークス監督お得意のプロフェショナル映画!」


巨匠ハワード・ホークス監督の晩年に近い1
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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年製作の映画)

5.0

「作家としての安彦良和が解釈する寓話的ファーストガンダムとドアンの業を背負うアムロ」

ガンダムは、いわゆるTV版のファーストガンダムから劇場版とZガンダムとその劇場版と『逆襲のシャア』までが、一番好
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

5.0

『前作の要点やキャラクターを踏襲しながらトム・クルーズの40年以上に渡るキャリアの総括』

トップガンの初見は、レンタルビデオなどで、数回鑑賞していて、いわゆる映画館で観たのは、数年前の午前10時の映
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緑はるかに(1955年製作の映画)

5.0

「日活初のカラー映画は、ミュージカル・ファンタジーの振りをした少年少女の冒険譚!でした」


ナレーションによる少女漫画や童話風の始まりから、14歳にしては幼くみえる浅丘ルリ子扮するルリ子が、緑色のオ
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

5.0

「安心安定の庵野秀明(印)な出来映えで楽しめます!」

庵野ファンならご存知だと思うけど、初代『ウルトラマン』と『仮面ライダー』に並々ならぬ影響を受けている人なので、今回は、監督ではなく脚本と全面監修
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脱獄囚(1957年製作の映画)

5.0

凶悪な脱獄者との息詰まる攻防と切れ味
鈴木英夫特集にて鑑賞

主演は池部良ですが、のちの曲者俳優の佐藤允が準主演に初抜擢された鈴木英夫作品で、撮影が成瀬巳喜男と名作を連発している玉井正夫なのでそこも期
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危険な英雄(1957年製作の映画)

5.0

「タイトルが主演の慎太郎を体現したある種の傍若無人なところやマスコミ批判も含めた社会ドラマ」

鈴木英夫特集にて

主演が何と!石原慎太郎!石原裕次郎の兄貴で作家で数々の暴言でお馴染みですの方です。
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その場所に女ありて(1962年製作の映画)

5.0

「カラーワイド画面で煌びやかに見える銀座と広告業界の悲哀」

銀座の大手広告代理店の営業をしている女性サラリーマンの仕事をシリアスな女性目線できちんと描いた業界物。

西銀座広告社の27歳になる営業職
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悪の階段(1965年製作の映画)

5.0

「モノクロの陰影に蠢く欲望をクールなタッチで魅せる鈴木英夫監督の手腕が光る!」

金庫から4千万円の強奪に成功した四人男と一人の女。
半年間寝かせるその金を巡って徐々に仲間割れが始まる。

犯罪強奪部
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女王陛下の007(1969年製作の映画)

5.0

「2代目新生ボンドと編集出身の監督が放つキレの良い活劇と程良いスリルの果てにビターな結末で締める007の異色作」

作戦中に浜辺で出逢ったマフィアのボスの娘でもあるテレサと取引で結婚したボンドが、いつ
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

5.0

「60年代ロンドンの音楽と文化にオマージュしたホラー調で泣ける最高のシスターフッド映画」

『ベイビードライバー』も見事な作品だったエドガー・ライト監督が今回は、タイムスリップモノにサスペンスホラーを
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