まやさんの映画レビュー・感想・評価

まや

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SELF AND OTHERS(2000年製作の映画)

5.0

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濱口監督の『寝ても覚めてもでも』で写真がとても印象的な使われ方をしていたので気になって鑑賞。

すごい映画だった。ドキュメンタリーってやっぱり実際に起こったことや出来事を映し出しているからか、本当に心
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美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)

3.9

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セリフがすごく多いわけでもないし、話の展開が多いわけでもないけどなぜだかずっと画面に惹きつけられる作品だった。

映像の美しさと身体の身体的美しさに釘付けになる。海がとにかく綺麗。人々の顔と視線も気に
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走れない人の走り方(2023年製作の映画)

3.8

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単純に面白かった。芸大の修了制作作品だからか、監督自身がやりたいことが詰まっていたように思えてとても面白かった。

本筋の物語他にも、監督がさらっと物語の中に出てきたり、映画館が出てきたり、スタッフの
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阿賀に生きる(1992年製作の映画)

4.5

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ドキュメンタリーという概念についてと人間が生きる、生活するということを考えさせられる映画だった。とても良かった。

ドキュメンタリーって本当にそこに生きる人を映すもので、作られたものではないということ
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男女残酷物語/サソリ決戦(1969年製作の映画)

4.0

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アートっぽい世界観の作り込みに惹かれて鑑賞したが面白かった。すごい変な映画だったけど、男女感の性差、または権力の逆転等が美しくこだわりのある変な部屋で展開されていく。最後の終わり方も好きだった。

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優勝-Renaissance(1995年製作の映画)

-

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観ていて全然何もわからなくて、ただひたすらフィルムを眺めるという体験。ずっと観ていると、誰かの頭の中を覗き、死後その人が生きた世界の記憶の断片や繰り返されるその人の中の大事なものを思い出しているかのよ>>続きを読む

心の中(1999年製作の映画)

4.0

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実験的な映像の作り。フィルムの肌触りがとても良く、それが映像の中に生きていた。幾重にも重なるフィルムは心の中を映し出しているようで、一緒に過ごしていてもこれだけ違うという気持ちにさせられた。フィルムの>>続きを読む

ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

5.0

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公開当時観に行くか迷っていたら見逃してしまった作品。なぜ早く行かなかったのかと自分を殴りたい。本当に最高だった。すごい泣いた。

ハーモニー・コリン監督はミスター・ロンリーで好きになったが、独特の視点
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運命じゃない人(2004年製作の映画)

3.6

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面白かった。同じ日を立場の違う登場人物それぞれの視点から描くことで、事の全貌が展開されていく。その出来事がどんどんわかっていく勢いのある後半の展開最高だった。単純にどうなるのか気になって物語として面白>>続きを読む

Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)

5.0

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ただひたすら涙出てきた。こういった作品を残してくださり、映画として見せてくださり本当に感謝という気持ちになった。

本当に命を吹き込んで一音一音ピアノに魂を込めているような演奏だった。命をすり減らして
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わたくしどもは。(2023年製作の映画)

1.0

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大好きな小松菜奈ちゃんと松田龍平の初共演ということで、公開前からすごく楽しみにしていたけど、本当に自分が嫌いなタイプの映画だった。

確かに映像は美しいし、佐渡の独特な雰囲気は伝わってくるけど本当にそ
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甘いお酒でうがい(2019年製作の映画)

4.9

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シソンヌのコントが大好きなのでじろうさんが脚本とのことで気になって鑑賞。今の自分には沁みまくってやばかった。普通に泣いた。

日記の形式で主人公視点で物語が語られて行く。日記ベースなのでセリフ劇とはま
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クイーン・オブ・ダイヤモンド(1991年製作の映画)

3.9

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監督特集で鑑賞。こちらの方が好みの作品だった。淡々と物語が進んでいくのは共通していた。

あまり感情がわからない主人公で、ずっと無表情で、淡々と日々を過ごしている。カジノのディーラーという派手な仕事の
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マグダレーナ・ヴィラガ(1986年製作の映画)

3.7

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女性の視点からみた世界を描く監督っぽいと予告編を見て楽しみにしていたが、結構モヤモヤしてしまった。

「私はここにいない」

こう言っていないと自分という存在を保てないように見えた。孤独を抱え、体も心
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ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー(2022年製作の映画)

3.9

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すごく共感したし、普段自分が考えているうっすらとした男性への嫌悪感がとてもわかりやすく映像と共に言語化されていた。女性の在り方というところは割とずっと自分は興味があるので、すごく共感したし、納得したし>>続きを読む

不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

3.8

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2024.5.11
2回目の鑑賞。鑑賞記録をつけ始めて初めて観た。劇場で観ると物語への入り込み方が違った。とてもすごいものを見せつけられているという感覚を強く持った。

ダンスシーンは互いに触れ合うこ
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avec mon mari アベック モン マリ(1999年製作の映画)

5.0

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大好きすぎる。こういう個人的な話が自分は好きなのだと再確認した。

タモツが好きだと思った。確かにだらしないし、クソだなと思うけど、ちゃんと相手の人間性を見て話してくれる感じがよかったし、そこを真っ当
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空に住む(2020年製作の映画)

4.2

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初めて青山真治監督の作品を見た。人間の造形や間の取り方が独特で本質をつく作品に感じた。また、それによって人との繋がりの希薄さを描き出されていてとても面白く好きな監督だなと思った。

岸井ゆきののキャラ
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月の砂漠(2001年製作の映画)

3.7

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家族って何なのか抉られる作品だった。
家族のテーマなのにずっと不穏で地に足ついていない人々ばかりが出てくる。そんな人同士でここまで人間の本質を問うてくることに脱帽した。

この作品も東京公園と同じく、
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東京公園(2011年製作の映画)

5.0

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とにかくすごく好きだった。3人の立場の異なる女性を据えて主人公がカメラを通して関わりを持っていく。

登場人物達を取り巻く人間関係の形成がごく自然に生まれていて、人との関わり合いや、不思議な出会いによ
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セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

特集上映にて鑑賞。この作品が1番観たかったので観られて良かった。

でも結構長く感じて観るのが大変だった。設定や展開がわかってくると面白く感じるがそれまでがフワフワしていて掴みどころがないのは他の作品
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

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ずっと楽しみにしていた。Giftを観ていたので結末は分かっていたが、Giftを観た時からどう展開していくのか気になっていた。既に2回観たが、今までの人との分かり合えなさが、より広い範囲で描かれていて、>>続きを読む

八月八日(2016年製作の映画)

-

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人の生活をひたすら撮る。すごく面白くてずっと観ていたかった。普通だったらカメラが存在しないところに存在していて、人生を覗き見ている感覚。脚本書き直しながら発声するところ面白かった。ずっと観ていたかった>>続きを読む

長浜(2016年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

石橋静河さんと海がひたすら捉えられる。美しさに目を奪われるし、何かを訴えてくる視線と動きが頭から離れられなくなる

やくたたず(2010年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

こちらも特集にて鑑賞。Playback同様にモノクロの映像で物語が進んでいくが、個人的にはPlaybackの方が好きだった。

3人の若者のモラトリアム的な雰囲気漂う北海道の雪景色。白く光る雪がモノク
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Playback(2012年製作の映画)

5.0

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監督特集にて鑑賞。すごく刺さって好みだった。白黒の映像が物語にとてもうまく作用していて、ずっと白昼夢のような不思議な作品だった。

過去と現在、リアルと夢が混じり合っていき、物語の筋を追うというより主
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.5

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拘束時間が長いので絶対映画館でないとと思っていた作品。特集を組んでくださって本当に感謝。映画館で観られて良かった。

エドワード・ヤン監督はいくつか観てきて、いつも人々の生活と共にその時代背景や社会の
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ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

5.0

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ずっとずっと観たかった作品。映画館の定員ギリギリに滑り込めて鑑賞できた。本当に言葉がなくなるくらいに人の人生が優しくも厳しい眼差しで描かれていて、人生の映画だと思った。こんなに完璧な映画他に無いなと思>>続きを読む

地に堕ちた愛(1984年製作の映画)

-

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特集上映にて鑑賞。ずっと何を観ているのだろうという気持ちが強くどの登場人物にも入り込めないからずっと観客の1人として客観視して進んでいった印象。

最後までよくわからない部分が多く、演劇内で自分の人生
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パリでかくれんぼ(1995年製作の映画)

-

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初めてのジャック・リヴェット監督作品鑑賞。前から気になっていたので映画館で観られて嬉しい。

登場する3人の女性それぞれが可愛くて美しくてとにかくずっと観ていられる。みんなどこか地に足ついていないよう
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ひかりの歌(2017年製作の映画)

5.0

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すごくすごく好きだった。ずっと前から気になっていた作品。やっと観られて良かったし、とても心に染み渡る栄養のような映画だった。

光をテーマにした4つの短歌をそれぞれ映像に落とし込んだオムニバス的作品。
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.8

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ノーラン監督初作品。とても気になり鑑賞。流石だった。最初からこんなにきちんとやられたという気持ちにさせられる展開、演出となる作品撮っているなんて、すごいなと思う。

ノーラン監督は自分の中での映画の楽
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.5

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初コッポラ監督鑑賞。コッポラ監督はふんわりとした雰囲気が洗練された映画を撮る方という印象だったので、かなり真っ当できちんとした主題のある作品で少し面食らった。

本当に、自分のことしか考えられない、才
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i ai(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

GEZANが好きなのでとても楽しみにしていたがあまり乗り切れなかったのが正直な感想だった。

伝わる人にだけ伝われば良いみたいなスタンスな感じがしたし、解釈の幅が狭まらないようにという意図だったのかも
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海がきこえる(1993年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

観たことがあったが記憶にあまり残っていなかったので再鑑賞。多分学生の時に観た感想と大人になって数年経ってから観る感想とが異なる作品だなと思った。終始心臓が締め付けられる感じが最高だった。

ヒロインは
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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

こちらも監督作品として鑑賞。砂漠はひたすら続き、朝と夜がひたすら描かれる。女性を主人公とした西部劇ロードムービーという特殊な設定も面白かった。

本作においては本当に生と死が隣り合わせにある生活を描い
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