このレビューはネタバレを含みます
ずっとずっと観たかった作品。映画館の定員ギリギリに滑り込めて鑑賞できた。本当に言葉がなくなるくらいに人の人生が優しくも厳しい眼差しで描かれていて、人生の映画だと思った。こんなに完璧な映画他に無いなと思った。DVD手元に置いておきたいし、いつでも何回でも観たくなる作品だった。鑑賞後、拍手が起こっていた。
ヤンヤンの本質を問う質問や考え方に何度も涙が出てきた。こういうシンプルで、優しい世界の見方をどうしてできなくなってしまうのだろう。心が洗われた気がした。
人との関わりの中で、自分が作られていくと思うけど、その中における孤独感や分かり合えなさ、人は自分の目でしか自分の見方でしか世界を見ることができないということがずっと描かれていた。
その辛さや滑稽さ、でもたまに覗く、通じ合えるかもしれない瞬間、そんなものをヤンヤンの視線から美しく映し出されていた。
いろんな人間がいて、それぞれの考えを持って、人生を選択していくが、自分1人で生きているわけではない。その難しさと美しさを何度でも味わいたくなる作品だった。
人の生きる意味なんてないけど、意味を見出したくなる生き方が提示されていた気がする。これが遺作なんて。完璧すぎるなと思った。もっと世の中をとらえた人間の良さを監督の目線から撮る世界を観てみたかった。
きっと何度もこれから救われる作品になるだろう。