清水宏の紛れもなく名作だ…。「按摩と女」と同じく
、人里離れたひなびた(ひなびているのか?)温泉宿を舞台に、按摩さんと訳アリ女が登場するも、今作は軽快にテンポよく進むコメディタッチ。田中絹代と笠智衆…
全身の力が抜けてしまうほどに、夢のように美しいフィルムだった。日本映画史上最高峰の作品といっても過言ではないと思う。このフィルムだけは絶対にDVDを買って、手元に置いておきたい。これをいつでも観られ…
>>続きを読む清水お得意の縦構図は前景・後景に留まらず第三層すら積極的に導入し奥行きを際立たせ、笠智衆によるその階層間の懸命な移動がクライマックスとなるが、直後の田中絹代による移動の反復は、各階層を構成する部分が…
>>続きを読むアテネフランセで清水宏を知り、今日初めて劇場で鑑賞した。再評価の背後にある細かな理由は把握できていないが、小津と並ぶべきという評価は十分に理解できたつもりだ。個人的にロッセリーニが好きなこともあって…
>>続きを読む「情緒が足に刺さったんだ」ってパワーフレーズ!人物一人一人がたいへんチャーミング。おんぶで橋を渡る田中絹代と笠智衆の、脚だけ。帰ることが決まってしまったそのときの、みんなに背を向けてうつむく田中絹代…
>>続きを読むいちいちうるさい宿泊客の学者、彼を受け入れる環境、客が大勢なので、どんどん相部屋になっていくが、それも承知していく宿泊客たち、簪で怪我をしたのでお詫びにやってきて、そのうえ快方に向かうまで逗留をつづ…
>>続きを読む斎藤達雄演じる学者のうるさい≒にぎやか≒景気がいい≒ハデのくだり、情緒的イリュージョン(言葉の響きの素晴らしさ!)のコミカルな前半も楽しいし、田中絹代と笠智衆のロマンスも切ない。
旅館がどこか浮世離…
清水宏の映画は3本目なのでまだはっきりとしたことは言えないのだが、とてもおおらかな作風の監督だと思う。学者先生がケンケンしても周りが受け流すので争いごとにならないのとか、知らない人同士で自然に集まっ…
>>続きを読む協調性がなく周りから煙たがられる作家先生に、普通なら周りの人間は彼から距離を取っていくだろうが、今作は彼から離れずに親密に接し続ける。こういった、現代で言えばギャグ漫画アニメ的な構図を真正面からやっ…
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