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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのIKUZAGIEのレビュー・感想・評価

4.3
この映画も傑作だと思う。で、洋楽好きならタイトルにとりあえず引っかかる映画。「ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア」といえば、ボブ・デュランの曲ですが、やたら多くのミュージシャンがカヴァーしまくる名曲中の名曲で、一番有名なカヴァーはおそらくガンズ・アンド・ローゼスによるものかと思う。ほかにも、エリック・クラプトン、ボン・ジョヴィ、アヴリル・ラヴィーン、ピンク・フロイド、U2、エルヴィス・コステロなどなど、ちょっとググると有名ミュージシャンのカヴァーが出てくる出てくる。とにかく多くのミュージシャンに愛されてる曲だという事が分かります。
映画では「SELIG(ゼーリッヒ)」というドイツのロックバンドがカヴァーしてます。え〜っと…誰?YouTubeにて「Selig』で検索かけると何曲か上がってきますが、ドイツ語(だよね?)だしバンドのヒット曲もどれなのかよく分かりません。でも大丈夫。名曲“Knockin' on Heaven's Door”はみんな知ってるから。エンドロールでは隣の人と肩組んで大合唱しました(心の中で)。
原曲の詳細は各自でググってもらうとして、歌詞の内容は、徐々に死に行くガンマンの心境を歌っているそうです。記憶が正しければ、ベトナム戦争で死んでいく若者達の姿も重ねて反戦のメッセージも込めた、とされていたと思うがどうだったでしょう。まあとにかく、天国の扉を叩きながらゆっくりと死んでいくというちょっと可哀想な歌ではありますが、曲調は暗くない。
映画を一言でいうなら、クライム・コメディ・アクション・ロードムービーという感じ。ストーリーは、病気で死にかけている若者二人が、マフィアと警察に追われながら、人生最後の目的を達成しようとするドタバタアクションコメディとなってます。追われる病人と追うマフィアが絶妙に噛み合ったり、病人とマフィアと警察が三つ巴で絡みあったりで、シーンによっては「それはどうなの?」と思わなくもないが、それを差し引いても脚本が秀逸。とても面白いストーリーとなってます。あと、映画『ブレードランナー』で伝説的な死に際を演じたルトガー・ハウアーが出演するのも大変嬉しい。
という事で、「死」をテーマに扱ってはいますが、ストーリーも音楽も気軽に楽しめる映画かと思うので是非。ついでにYouTubeで聴ける“Knockin' on Heaven's Door”のリンクを幾つかコメント欄に貼っておきます。SELIG(ゼーリッヒ)によるカヴァーは映画館で!
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