椎蕈

バタフライ・エフェクトの椎蕈のネタバレレビュー・内容・結末

バタフライ・エフェクト(2004年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

タイムリープものの傑作と聞いて結構前からかなり気になっていた作品。
シュタゲはこれをパクってる言われてるけど、タイムリープとラストシーン以外は似ても似つかない。
正直、序盤と中盤はそんなに面白くなかった。
施設に送られた世界線(最後の一つ前)のところからは文句無しに面白かった。

トミー関連の話が不快過ぎた。
友達の犬を殺してるのに、父親に虐待されてたから兄を責めないでって言うケイリーも正気かよと思った。
虐待されてる=人のペットを殺していいとはならん。
ただのシスコン自己中野郎で同情出来なかった。
ただでさえ不快な立ち回りのキャラだったのに、ケヴィンが手を失った世界線ではトミーが良い奴になってて「父親の虐待の件はどうなったの?」って疑問も残るキャラだった。

ケヴィンもあんまり好きになれなかった。
「この世界の誰よりも君のことが好き」とかケイリーに言っておきながら序盤は他の女性と遊んでるし。
最初の世界線で放置してたケイリーが自殺してしまったから助ける決意をしたのもなぁ……
ケイリーに言われるまで悪戯で死なせてしまった親子を助けなかったのもどうかと思った。
なんでそこを放置してたのかがかなり疑問。

ケイリーもあんまり好きじゃない。
さっきも言った通りトミーを庇ってたところに全く共感出来なかったし、ケヴィンが手を失った世界線の時に、好きと言われた直後に目の前で見せつけるようにレニーとキスをしてたから引いた。
多分その世界線ではレニーとケイリーがケヴィンの世話をしてたっぽいからそれが当たり前になってたんだろうけど、それを踏まえたとしても酷い。

ヌードやベッドシーンが多いのも気になった。
ほぼ全部が話の流れと関係なかったし、監督の趣味にしか感じられなくてその辺は全く好きじゃない。
「爪先が痺れる」のとこ以外は必要性を感じなかった。
ベッドシーンがそこだけなら「おぉ〜」ってなってたと思うのに、無駄に多いから白けてた。
ここは完全に好みの問題だろうけど、映画に限らずどのジャンルでもそういうシーンは必要最低限で充分だし、時間の無駄でしかないと思ってる。
そんなシーンを描くくらいならストーリーとかキャラの深掘りをもっとしろよって思う。
終盤に差し掛かるまでずっとエロと暴力!って感じ。

ラストシーンはめっちゃ良い。
誰よりも愛しているケイリーとの出会いを断ち切って、全てを丸く収めるのは切ないけど綺麗だった。
ラストにすれ違うのも切なくて良い。
レンタルで観たから別エンドも見たけど、これから関係が始まっていくのも爽やかで好き。
でもノーマルエンドが個人的には1番。

どうやっても良い方向に進まないタイムリープもの特有の絶望感、抜け落ちた記憶や冒頭の伏線回収、別世界線で知ったことを現世界線で活かす展開なんかもあって、物語としては割と良く出来てたのに、不快な描写や要らない描写が多過ぎてマイナスの方が大きかった。
物語と全く関係ない無駄なベッドシーンやヌードが多過ぎたのが個人的に1番のマイナスポイント。
メインの4人を好きになれなかったのも大きい。
椎蕈

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