椎蕈

もののけ姫の椎蕈のネタバレレビュー・内容・結末

もののけ姫(1997年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

子供の頃に見たことはあるけど、今週の金曜ロードショーで初めてしっかりと見た。
全体的にテーマとか設定が重めで、ゴアシーンも他のジブリに比べたら多め。
人間は本当に醜い。
動物が死ぬシーンは人が死ぬシーンの何倍も苦手だから、そこは見てて少し嫌だったかなぁ。

全体を通して気になったのが、アシタカがタタラバの人間や山の動物たちとの共存を目指してたのに、侍だけガンガン殺されてたことかな。
最初は力を制御できてない感じだったから仕方ないと思うけど、終盤は明らかに殺意あったし。
戦争や右手の呪いの引き金になったエボシ達はただの敵として終わらせてないのに、侍達は何のフォローもなく最初から最後まで悪として描かれたのがモヤモヤした。

あとはよく言われてるけど、カヤの小刀も。
村を追放されたからカヤの元には2度と戻れないし、カヤもそれを分かった上で掟を破ってまで渡してくれたのにアッサリ渡すところがちょっと残念だった。
苦難を乗り越えて絆が深まって、もう2度と会えないカヤを振り返るんじゃなく未来を見据えて、ラストシーンでサンに渡すならまだ納得できるけど。

「共に生きる」っていうのが安直にサンとアシタカが一緒に暮らし始めるんじゃなくて、アシタカはタタラバで新しい生活、サンはこれまで通り山犬として暮らしていくのが良かった。
この2人が森と人の架け橋になるのかもしれないという考え方もできる終わり方で好き。
椎蕈

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