椎蕈

ゴジラ-1.0の椎蕈のネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ゴジラは初代、平成シリーズ、ミレニアムシリーズ、シン・ゴジラ、98年版を省くハリウッドシリーズは視聴済み。

主要キャラクター皆に感情移入がしやすいゴジラだった。
特に冒頭では子供たちが亡くなって自暴自棄になっていた太田澄子が、時間経過と共に本来の性格であろう思いやりのある性格に戻っていたのが良かった。
秋津船長もカッコよくて、「国のやり方は気に食わねえけど、誰かが貧乏くじ引かなきゃなんねぇんだよ」「国の未来はお前たちに任せた」ってセリフが良かった。

ただし、主人公の敷島は好きになれなかった。
逃げまくりで、短気ですぐキレるし、不貞腐れる。
そのうえメンタルも弱いからすぐ絶望する。
周りも辛いのは同じなのに周りに支えてもらってばっかりで、それなのに感謝する描写はほとんど無しで、良いイメージが持てなかった。
明子に父親じゃないって面と向かって言うシーンは正気か?って思ったし、ずっと根暗な印象で全然好きになれなかった。
ゴジラシリーズで1番苦手な主要キャラかもしれない。
あんな性格なのにあそこまで周りが温かくしてくれる意味がわからないし、戦後間もない時代だから尚更。
最後に人類のために犠牲になればカッコよかったけど、死んだ人の分まで生きるっていうのが今回のテーマのひとつだったからそれを貫いたのは良かったと思う。

ゴジラはいつも通りカッコ良かった。
初めて熱線を吐いて戦艦を壊すシーンは鳥肌が立ったし、2回目の背びれが開くところや爆風の規模がデカいのも迫力があって良かった。
ただ最後の戦いでワイヤーを巻かれる時に、抵抗せずじっとしてたのは意味分かんなかった笑

初代ゴジラのオマージュが多かったのも見どころ。
・初出現が島
・戦後間もない頃にゴジラ襲来
・実況しながら死んでいくアナウンサー
・母親の死で号泣する明子(実際は生きてたけど)
・海で決着
初代ゴジラを観ていればこの辺りがオマージュだと分かってより楽しめるかも。

シン・ゴジラ以来の日本ゴジラ。
戦争直後が舞台で、オマージュも有りの原点回帰作。
映像も迫力があって面白かった。
敷島があの性格じゃなかったらもっと楽しめてたと思う。
ヒロイックにして欲しいとまでは言わないけど、周りがしっかりし過ぎてて悪目立ちしてた。
椎蕈

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