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枯れ葉のIKUZAGIEのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
3.8
年末年始の忙しさに加え、上映館も少ないから、鑑賞を諦めかけてましたがなんとか鑑賞に至る。いや、良かった!アキ・カウリスマキ通常運転!もしくは、アキ・カウリスマキ、守り続ける昔ながらの味!ということで、安定の作家性。今更アキ・カウリスマキの良い点や特徴とかは割愛しますが、ちょっとシュールな空気感や感情のない会話など、いつもの独特のセンスが好きな人には随分楽しめる映画となってました。声出して笑うようなシーンはあまり無いですが、今回は某映画監督のある映画をネタにしたシーンもあったりして、そのシーンはこれまでとまた違った味わいと笑いがありました(アキ・カウリスマキとその映画監督は仲良しらしい)。
ちなみに今回の『枯れ葉』はなんと“労働者3部作”に連なる新しい物語だそうだ。アキ・カウリスマキの“労働者3部作”とは『パラダイスの夕暮れ』(1986年)、『真夜中の虹』(1988年)、『マッチ工場の少女』(1990年)の3作で、現在、Amazonプライムビデオで視聴可能(2024年1月)になってたので、未鑑賞の方はこれを機にコンプするのも良いかと。更に“敗者3部作”なども視聴可能になってたので、あれこれ見比べてみるのも面白いかと思う。大体テイスト一緒ですが。
という事で、「アキ・カウリスマキかあ…どうせまた同じような映画だろうから無理して映画館で観なくても配信まで待つか…」と思うかも知れませんが、映画館の大きいスクリーンで観ると、ちょっとしたカットや風景なんかに「あら、大画面で観ると素敵」と感じるシーンもあると思うので、やはり劇場での鑑賞が良いでしょう。
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