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ザ・キラーのIKUZAGIEのレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
3.6
Netflixの「今日の映画TOP10」で1位になっていたので、詳細見たら監督がデヴィッド・フィンチャーじゃありませんか!これは観るべし!ということでNetflixで2回観てもた。派手さは無いけどリアルな殺し屋(知らんけど)という感じで、他の殺し屋・スパイ系の映画より物語に説得力があって割と良かった。
脚本が『セブン』のアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーで、撮影が『Mank/マンク』のエリック・メッサーシュミットで、音楽がトレント・レズナー。ふ〜ん、そーなんだー。2010年の『ソーシャル・ネットワーク』以降、音楽はトレント・レズナーがずっと担当しているようです。たぶんデヴィッド・フィンチャーのセンスに合うんでしょうね。確かにレッド・ツェッペリンの「移民の歌」をカヴァーした『ドラゴンタトゥーの女』のオープニングは、映像も音楽も最高にカッコ良かった。
トレント・レズナーといえば、殿堂入りも果たしたロックバンド「ナイン・インチ・ネイルズ」。1992年にリリースされたEP『ブロークン』は超名盤で、攻撃力に極振りしたような圧倒的なサウンドは破壊力が半端なかった。その後、1994年にリリースされたセカンド・アルバム『ザ・ダウンワード・スパイラル』はアメリカのビルボード誌で初登場2位。当時CDのほかにミュージックビデオを収めたVHSテープも発売されていて、金無いくせについつい両方購入してしまった覚えがあります。ちなみにミュージックビデオの映像はだいぶ変態でした(笑)。(ご興味あればYouTubeで。検索ワード:Nine Inch Nails - Closer (Director's Cut))
その後、1997年デイヴィッド・リンチ監督の映画『ロスト・ハイウェイ』のサウンドトラックをトレント・レズナーがプロデュースし、『ザ・パーフェクト・ドラッグ』という楽曲を収録。確か民放の朝のニュースにも取り上げられるくらい、当時そこそこ話題になった覚えがあるが、あってるでしょうか。ちなみにデイヴィッド・リンチがトレント・レズナーにサントラを依頼する際、「オリバー・ストーンの『ナチュラル・ボーン・キラーズ』のようなサウンドトラックを作ってくれ」と頼んだそうで、その『ナチュラル・ボーン・キラーズ』のサウンドトラックをプロデュースしたのも、やはりトレント・レズナーでありまして、なんか映画監督からモテモテやん!ミュージックビデオは変態なのに!
そういえば、映画『ナチュラル・ボーン・キラーズ』のワンシーン、ウッディ・ハレルソンが監獄で暴れるシーンでは、90年代初頭に現れた革命的ロックバンド「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン」の楽曲が流れるのでありまして、思えば90年代初頭はナイン・インチ・ネイルズの他にもたくさんの凄いミュージシャンが誕生・席巻したなあとつくづく思う。ニルヴァーナを筆頭にオルタナ系のロックが80年代の華やかなハードロックを駆逐し、ブリティッシュ・ロックからはオアシスが、ヒップホップからはビギーや2pacやウータンが、テクノ・エレクトロ系からはケミカル・ブラザーズやザ・プロディジーが、ん〜、さっきから何の話をしているのでしょう?そうそう、デヴィッド・フィンチャー監督の最新映画『ザ・キラー』の個人的な感想は、映画『イコライザー THE FINAL』よりやや面白いが、傑作だった『イコライザー』の1作目よりは劣る、という感じ。結構面白かった。
追伸:トレント・レズナーって、ディズニー&ピクサーの『ソウルフル・ワールド』でもアカデミー賞作曲賞を受賞してるんですね!知らんかった!「ナイン・インチ・ネイルズがディズニー映画?(笑)」と思ったけど『ソウルフル・ワールド』に俄然興味が湧いた。
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