なんてことはない邦画なのに、随所に光るものを感じてしまうのはなぜでしょうか。
一人カラオケ大好きな私もふと冷静になると「人前で一人で歌うって、なにそれ」と思ってしまうのですが、奇妙な日本文化がよれよれボロボロな邦画に小さな奇跡を起こしている作品。原作も味わい深いが映画になってよかった。そんな中学生も先生もヤクザもおらんやろと思うのだけどよかった。役者さんたちが、大阪の日常風景が、なんとなく生き生きとしていているように思える。さくっと観れたのに、じわじわと「ええなあ」って気持ちになる。
齋藤潤さん、原作よりももっと冷めた聡実くん像がとてもすてき。あの冷たい視線最高でした。ヒコロヒーさんの多芸さもすてき。