グラビティボルトさんの映画レビュー・感想・評価

グラビティボルト

グラビティボルト

映画(1468)
ドラマ(0)
アニメ(19)

ミッシング(2024年製作の映画)

3.3

「空白」に続いて、吉田恵輔×スターサンズの映画。

愛娘が失踪してから精力的に捜索活動に取り組むも、心のバランスを崩していく夫婦の道程を描く。
TV局員視点もあり、画面や動きが多彩になるぶん、ひたすら
>>続きを読む

ティアーズ・オブ・ブラッド(2022年製作の映画)

3.1

過去を消した男が偶々息子の死に遭遇し、男に疑惑を掛ける警察、息子を殺した強盗団と戦う事になる。
「レ・ミゼラブル」の脚本家が監督という事で、シビアなジャンル映画を期待したが、ラストショットの楽天性は意
>>続きを読む

眠れる美女(2012年製作の映画)

3.8

ベロッキオによるイタリアで起こった尊厳死を巡る議論が巻き起こった数日間の群像劇。
賛成派、反対派が一瞬交わるカフェで突如水を顔にかけられる場面を筆頭に、終始唐突な動作と唐突な死の予感に溢れていて、複数
>>続きを読む

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)

3.8

冒頭、渡瀬恒彦と小林稔侍が名古屋〜大津〜京都で銀行強盗を重ねて、神戸でも決行し、逃走中に小林稔侍がトラックに轢き殺されてしまう迫力が凄まじい。
ここからラストの室田日出男らとのカーチェイスまでテンショ
>>続きを読む

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

3.9

「ムッソリーニ」ほどではないものの、何を考えているか計り知れない人物達による物語の異様なうねりと唐突なアニメーションの乱入、まさかのキリストパイセン復活夢など、力強さは健在。終盤は
心の芯まで洗脳され
>>続きを読む

廃墟の群盗(1948年製作の映画)

3.7

冒頭、街で銀行強盗を成功させた後に警官隊に追跡されて、塩の海に逃げ込む展開からして異様に速い。
水も無いまま長距離移動を続けて、ヘトヘトになりながらたどり着いた街で男装したアン・バクスターと出会ってド
>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

三宅唱「夜明けのすべて」にも感じた事だが、キャリアもまだまだ先があるのにこんなに面白い映画を撮ってどうするんですか・・・と謎の心配をしたくなる程度には傑作。滅茶苦茶面白かった。

どんな「高尚」な映画
>>続きを読む

貴公子(2023年製作の映画)

3.4

凄いアクションや暴力に頼った、平場の弱い映画がニガテなので限界まで期待値を下げていたぶん、想像より面白く観れた。
ラストがやたら軽快なのが意外。
巻き込まれ型サスペンスの割には主人公を巻き込む事態が発
>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

4.0

染みた。
大林宣彦「異人たちとの夏」を前提にした映画がこんな繊細な、ケレンを前半部で抑制した我慢強い映画になるとは思わなかった。
アンドリュー・ヘイという作家は、過去作から一貫して画的なケレンを最終盤
>>続きを読む

リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.2

問答無用の今年ベスト。
「一人一色」のカラーで彩られたアニメーションは本作の武器、個性である事は間違いないが、同時に小さな女の子の
「チキンが食べたい!」という願いが
親、親戚、友達、警官を巻き込んだ
>>続きを読む

マーサ、あるいはマーシー・メイ(2011年製作の映画)

3.9

ショーン・ダーキン、1作目にしてこの繊細な絶望感を撮ってしまうとは。
クライマックス、エリザベス・オルセンが河で泳いでいると見える向こう側にいる人物の恐ろしさは勿論、カルトから逃げ延びた彼女の内面の時
>>続きを読む

ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.1

「インフィニティプール」が弩級の愚作だったので心配だったが
「別人の脳内に侵入して仕事をする殺し屋」という設定のケレンで最後まで走り切るので、意外と観れた。
主人公が殺し屋として危うくなってしまう理由
>>続きを読む

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

2.2

この手の映画作家、ルイス・ブニュエル好き過ぎて凡庸になる問題が発生している映画だった。

ブランドン・クローネンバーグ映画初鑑賞だけど、ゾッとするほど面白く無かった。
荒木飛呂彦なら30Pぐらいで処理
>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.4

ショーン・ダーキン監督作は初めて観るが、一見非ホラー的な題材を恐ろしく撮れるセンスがあると思う。終盤に待っているある飛躍には驚き過ぎて涙腺が弛んだ。

前評判から、傑作では?と身構えて観たけど予想外の
>>続きを読む

毒娘(2024年製作の映画)

3.8

ちょっと惜しいけどすげぇ好き。
モラハラ夫にどう向き合うか?という家庭内スリラーと家に寄生してくる謎の少女をどうするのか?をくっつけて105分にする豪腕、野心が好き。
しかもその野心を映画の蓄積が可能
>>続きを読む

RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

3.9

良作。ファティ・アキンが根本に抱えているであろう生真面目さがきっとプラスに出ていつつ、ジャンル横断もしてて野心的。
冒頭、主人公のカターが産まれる前、
身重の母親が紛争地帯を疾走して蝙蝠が飛び回る洞窟
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

1.3

ノーランのワースト。
題材云々以前に役者や場面をどうやって撮るのかわからなくなってしまった監督が、とにかく画面を「原爆」という題材にこじつけて白飛びさせ、大袈裟なサウンドトラックを掻き鳴らして走り抜け
>>続きを読む

ブリックレイヤー(2023年製作の映画)

2.8

元から「まぁまぁの映画」を期待して観に行ったんだけど、ギリギリそこに届かないのが惜しい。
特に、アーロン・エッカート演じる
「元CIAのレンガ職人」のレンガスキルが活かされ無いのは中々辛かった。
ド頭
>>続きを読む

美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)

4.5

これは傑作。間違い無く傑作。
ジプチのガランとした砂漠、海岸で若きフランス外人部隊の訓練生が鍛え、踊る。
でも、彼らを教育するのがカラックス映画で女に執着しまくったドニ・ラヴァンであるからには、何も起
>>続きを読む

愛の勝利を ムッソリーニを愛した女(2009年製作の映画)

4.4

「夜よこんにちは」も凄い映画だったが、こちらもそんな馬鹿な!というレベルで面白い。
冒頭の人を鼓舞するだけの強烈な演説でムッソリーニに惹かれてから延々と愛した男に傷付けられた人の映画。
ムッソリーニが
>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

1.9

IMAXで観ないと!ってみんな言うけど、役者のアップのニュアンスで「この人は蟠りを抱えてます」みたいな魅せ方をするシーンが沢山あるので、普通の画質で観てもあんまり変わらないと思います。

確かに1作目
>>続きを読む

アルファ、殺しの権利(2018年製作の映画)

3.6

超クール。 
警察、麻薬の売人の両方とも行動が迅速で、いちいち迷わないんだけど
ドキュメンタリックなデジタルカメラがそんな彼らのアクションを見逃さないのが良い。
薬の入ったバックを大事に抱えてタクシー
>>続きを読む

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

3.4

まぁまぁ。
自分より下と感じた女に暴行し、あまつさえ殺してしまうホンカが汚部屋と場末のバーを彷徨い、最終的には逮捕されてしまうまでの映画。
すげぇ無愛想な作りだと思う。
ゴア描写にはあまり興味が無い印
>>続きを読む

モスル~ある SWAT 部隊の戦い~(2019年製作の映画)

3.4

まぁまぁ。大絶賛の「ウィンターソルジャー」からしてボーンシリーズのアクションを流用してアメコミを撮ったようにしか見えなかったルッソの名前が入っている映画の中では面白いほう。

ブラックホークダウンのイ
>>続きを読む

スペースバンパイア(1985年製作の映画)

4.1

終始口アングリ。すげぇ映画だ。
惑星探査中の宇宙船クルーが巨大彗星の中に超セクシーな女体(?)を発見するが、彼女は人間の生命を吸い取る吸精鬼だった!
マチルダ・メイのおっぱい!
クライマックスの宇宙戦
>>続きを読む

女は二度決断する(2017年製作の映画)

3.5

初ファティ・アキン。
息子と夫を理不尽な爆弾テロで喪ったダイアン・クルーガーの内面がブレる、ブレる。
容疑者をジャッジする裁判シーンにおける、デ・パルマっぽい分割画面やシャローフォーカスは機能してるか
>>続きを読む

モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

3.6

冒頭のスーツが破れてしまう書記官のギャグが妙にユルくておまけに活劇が始動するまでのタメが長いので心配したが、
一度走り出すとラストまで止まらないのは見事。
マッドマックスばりの改造車両で紛争地帯を離脱
>>続きを読む

レインメーカー(1997年製作の映画)

3.8

理想と現実の狭間で揺れたり段々適応して狡くなったりするマット・デイモンが素敵だし、動きの少ない法廷空間で印象的なアクションを積み重ねていく渋い良作。

ミッキー・ローク演じるヤクザ紛いの上司も、ただ柄
>>続きを読む

タッカー(1988年製作の映画)

4.2

「ゴッドファーザー」で爆睡して以降
コッポラは勝手にニガテだったんだけど、すげぇ面白かった。
ジェフ・ブリッジス演じるタッカーは
笑顔が貼り付いた、思い付くと止まれない子供みたいな男なんだけど、そこに
>>続きを読む

ブレーキ・ダウン(1997年製作の映画)

4.2

え、こんなに面白くてバチ当たらないですか?ってぐらい面白いんだが、ジョナサン・モストゥはここ最近影が薄いので、マジにバチが当たったか?

冒頭、車の故障をきっかけに妻と離れたカート・ラッセルが、そのま
>>続きを読む

夜よ、こんにちは(2003年製作の映画)

3.9

マルコ・ベロッキオ初鑑賞。
イタリアの極左「赤い旅団」に所属する女性が、1973年当時のモロ首相を監禁し、闘争を試みる革命映画。
首相と共に過ごすうちに段々内面がブレていく静かな映画なんだけど、監禁部
>>続きを読む

許された子どもたち(2019年製作の映画)

4.0

巧い時の内藤瑛亮映画は、瞬間最大風速が何度も出る。
疾走シーン、ボウガン周りの魅せ方、
実は強い女子小学生、突然走り出す母親、どれも身体的な要素が強いショットで勝負してる。

重苦しい題材なのに、魅せ
>>続きを読む

ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)

3.5

潜水艦映画であるにも関わらず、ロシアの過激なクーデター派から穏健派の大統領を救出する陸上での銃撃戦を足し算する見せ場足し算への照れの無さが潔い。 
ケレンのあるショットは少ないものの、異国の同業者に敬
>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

2.0

以下URLのpodcastで感想話してます。
よろしく!
https://open.spotify.com/episode/0E4EXLlrFQVdftV98DY8iq?si=s43ew0Q1RaOd
>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.0

以下URLでも感想話してます。
よろしく!
https://open.spotify.com/episode/2tD8UQZeSwO3xh5R4lLd0o?si=7qSKFL-0R66oY_55nMx
>>続きを読む

FEAST -狂宴-(2022年製作の映画)

3.5

終始気持ち悪い映画。
夫を轢き殺された妻が轢き殺した家族の使用人になるという粗筋から連想される、格差やら何やらへの
「攻撃」には一切振り切れず、被害者が加害者家族の同一フレームに埋没してしまう。
何故
>>続きを読む

>|