似太郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

愛と希望の街(1959年製作の映画)

4.6

【ぼくは正しい犯罪者になるべきだった】

大島渚のデビュー作。この頃からペシミスティックで不条理なムードが強く押し出されており、鳩=平和を売って金儲けする貧乏少年の視線を通し戦後日本の醜悪さを痛烈に抉
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儀式(1971年製作の映画)

5.0

【優しいサヨクのための嬉遊曲?】

大島渚らしく日本戦後史を「バカ共による芝居」として再構築した反・歴史映画。

下卑たブラックジョークで日本の恥ずかしい儀式の連続を痛快に笑い飛ばした一編。河原崎健三
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バリー・リンドン(1975年製作の映画)

4.6

【本来笑うべきシーンではないのに】

中世イギリスを舞台にした歴史絵巻なんだが、所々笑ってしまうシーンが多々あって「これってわざと?」みたいな雰囲気が強い。キューブリックらしい【企み】を感じさせる珍妙
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コンドル(1975年製作の映画)

4.3

シドニー・ポラック監督による左派的アプローチ(米国批判)を盛り込んだメロドラマ趣向の強いサスペンス。正攻法な演出で一気見できる秀作となった。

😍主演のロバート・レッドフォードの美貌に女性客はキャーキ
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大いなる勇者(1972年製作の映画)

4.5

🤠脚本が西部劇マニアのジョン・ミリアスで監督はシドニー・ポラック、主演はレッドフォードという面子の異色作。若干『レヴェナント/蘇りし者』を彷彿とさせる大自然との格闘を描いたサバイバル・ウエスタン。>>続きを読む

追憶(1973年製作の映画)

4.5

シドニー・ポラック監督✖️ロバート・レッドフォードのコンビ作はどこか昭和の古き良き邦画の臭いがしてクセになる。叙情的なメロドラマの逸品。🎥

50年代赤狩りの時代を生き抜いた男女の視点を通して語られる
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宇宙人ポール(2011年製作の映画)

4.3

【宇宙人に逢いたい👽】

英国が産んだお笑いコンビであるサイモン・ペッグとニック・フロストが訳あり宇宙人と遭遇する痛快ロード・ムービー。これがホントの『未知との遭遇』ってやつですよ。😁😁😁

全編通し
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SUPER 8/スーパーエイト(2011年製作の映画)

4.0

【スピもどき】

J.J.エイブラムス監督だから心無いスピルバーグもどきでもマインドは外さない良作だと思った。ネット/オタク世代が作った『未知との遭遇』として評価できる作品。

これと似たようや設定で
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ターミナル(2004年製作の映画)

3.8

【ハム・トンクス🍔】

主演のトム・ハンクスがどんどん太ってきてるのが気になる。彼の演技は上手いが、ヒロインのキャサリン・ゼタ・ジョーンズもいい味を出しているヒューマン・ドラマの佳作。

一言文句を付
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

3.8

【詐欺師の生涯🕶】

脚本がひねくれてて面白いとは思うけど、編集が過剰でフラッシュバックに頼った構成がイマイチだった作品。なんか画面がゴチャついてて見辛い。😓

ディカプリオとトム・ハンクスの掛け合わ
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マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

3.6

【映画の頭脳破壊💣】

リアルタイムで映画館で観た作品だが、冒頭のグルグル回転するカメラワークと編集の気持ち悪さで途中退場した作品。(笑)
映画館のトイレでゲロゲロ吐いちゃった。

これならまだ前作『
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A.I.(2001年製作の映画)

4.0

【そりゃ涙も枯れる】

公開当時は全く評判にならなかったスピルバーグ作品だが、心無いキューブリックごっこみたいな演出を除けば彼らしい素朴でピュアなSFファンタジーといった感じで決して悪くはない佳作。
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ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

3.7

【虚構の楽園】

やはりジョン・カサヴェテスの作品は設定が複雑怪奇で一度では理解しづらい。これなら黒沢清の『ニンゲン合格』の方がまだマシ。個人的には…。

ジーナ・ローランズとカサヴェテスの姉弟関係や
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ラスベガスをやっつけろ(1998年製作の映画)

5.0

いまのところテリー・ギリアムの映画でストレートに楽しめたのは本作だけ。LSDによる幻覚症状やアニメなどを効果的に使ったトリッピーな映像体験と激動の70年代を皮肉ったブラック・ユーモア風ストーリーが好み>>続きを読む

ガープの世界(1982年製作の映画)

3.8

なかなかヒューマンで泣ける映画なのだが、狙い過ぎなブラックユーモアや社会風刺が本来のエンタメ性を阻害しストレートに楽しめない印象を受けた。う〜ん。😔

ロビン・ウィリアムズの演技が良いだけに勿体ない気
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暴力脱獄(1967年製作の映画)

4.2

【手段は問わない】

スティーヴ・マックィーン主演『大脱走』に於ける【個人の闘争】をより突き詰めた印象のある脱獄劇。ポール・ニューマンが野生的なタフガイを演じ切っており本作から頼れる兄貴の鑑へと変貌。
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ハッド(1962年製作の映画)

4.0

【お山のニューマン🌵】

主演ポール・ニューマン演じるカウボーイの男臭いオーラが印象的なウエスタン。些か『ブロークバック・マウンテン』臭のする、リアリズム西部劇といった雰囲気の異色作。

かなり観念的
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エデンの東(1954年製作の映画)

4.6

【心に茨を持つ少年】

ジェームズ・ディーンはぼくが小学生の頃に初めて「意識」した俳優だ。

のちにファンになるロバート・デ・ニーロやジャック・ニコルソン、ダスティン・ホフマンら「反逆児」の映画はそこ
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

4.2

【ピンク映画に愛をこめて❤️若松の夜】

前作『止められるか、俺たちを』がいまいち面白くなかったので観る前は不安だったのだが、主演の井浦新が演じる若松孝二がどんどんコメディアンぽくなって全体的にエンタ
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チェ 39歳 別れの手紙(2008年製作の映画)

4.3

教材になるエンタメ作品として一流のものだと感じる。二部構成によって綴られるチェ・ゲバラの魂の遍歴シリーズ。かなり淡々としているが飽きさせない構成力が見事。

段々サバイバル映画色が増してきてよりスピリ
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チェ 28歳の革命(2008年製作の映画)

4.3

🇨🇺革命指導者チェ・ゲバラの半生をドキュメンタリー・タッチで淡々と描いたもの。主演ベニチオ・デル・トロのワンマン映画でもある。

ソダーバーグ監督だけあって虚飾を排したドライな演出が効果的で、大してハ
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未知への飛行(1964年製作の映画)

4.6

『博士の異常な愛情』のキューブリックの人間性を小馬鹿にしたような終末的ビジョンとは違ってシドニー・ルメットの視点は少し固めですな。

主演の大統領役のヘンリー・フォンダが『十二人の怒れる男』以上に切迫
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

5.0

無能な国連🇺🇳の連中を皮肉タップリに描き出したキューブリック流の終末映画。いま観ても水爆の恐怖でハラハラドキドキ💓な恐怖感を煽る。

主演のピーター・セラーズが一人三役演じているのに注目されたし。🙄彼
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エボリューション(2001年製作の映画)

4.2

【進化?】

さすが、アイヴァン・ライトマン監督。同じ異星人ネタのコメディ『メン・イン・ブラック』より遥かに上出来のエンターテイメント。全体的に田舎っぽくほのぼのしていて名作『トレマーズ』に近い能天気
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殺人狂時代(1967年製作の映画)

4.5

【地球を守れ!】

岡本喜八監督の中でもカルト的な人気がある作品。冒頭の久里洋二によるアニメパートから始まり、主演の仲代達矢が007やルパン三世みたいに冒険しまくる痛快スパイ・アクション。東宝らしいバ
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ROCK YOU! [ロック・ユー!](2001年製作の映画)

3.8

【厨二の発想】

うーん…❓決してつまらなくはないんだが全体的に幼稚な印象。主演のヒース・レジャーに大して魅力を感じないし手抜きっぽい演出だと思った。アクションの臨場感はまずまず。

ティーン向けを想
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ロビン・フッド(2010年製作の映画)

4.3

リドリー・スコット監督の新作『ナポレオン』評判悪いですねぇ。昔から史劇と言ったらリドリー・スコット、という定評が以前ならあった筈なのに。😓

個人的にはスピルバーグの模倣に走った『グラディエーター』よ
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なまいきシャルロット(1985年製作の映画)

3.6

【シャルロットたんハァハァ…😍】

安っぽい角川アイドル映画みたいな雰囲気であまり好きではない。主演のシャルロット・ゲンスブールLOVE❤️な観客以外は強引なストーリー展開についていけず肩透かしを喰ら
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ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)

4.3

【ダンサー・イン・ザ・ダークなんて糞食らえ】

🇫🇷フランス製ミュージカル作品。可愛らしいファッションやキュートな女優陣が練りなす恋愛模様のエトセトラ。主演のカトリーヌ・ドヌーヴ、フランソワーズ・ドル
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ノー・マンズ・ランド(2001年製作の映画)

4.0

【地雷の上で💤】

ユーゴに於ける内戦をカフカ的な不条理ユーモアで綴った戦争映画。演出以上にシナリオの完成度が高くグイグイ見入ってしまう出来栄えとなっている。

やや演劇的で狭っ苦しい台詞の応酬が観て
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ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

4.6

【下町奮闘記】

アメリカ社会に於ける人種差別や対立を主軸とした構成はかの『ウエストサイド物語』を彷彿とさせるが、スパイク・リーならではのエネルギッシュな演出力と「民衆の怒り」の描写が凄まじく独特な映
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サマー・オブ・サム(1999年製作の映画)

4.3

デヴィッド・フィンチャーの『ゾディアック』やリチャード・フライシャーの『絞殺魔』と同趣向の犯人探し系スリラーで、黒人監督スパイク・リーならではの闊達な切り口に魅せられる作品。

切羽詰まった人間のある
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緑の光線(1986年製作の映画)

4.9

おフランス映画ざんすシェ〜ッ!!🇫🇷

…といった、全編エスプリの効いた会話と女性ならではの心もようを繊細に綴った名匠エリック・ロメール監督の代表作。隠し撮りのリアルな映像が如何にもヌーヴェルヴァーグ
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ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)

4.6

【男性と女性】

毎回金太郎飴みたいな話ばっか撮るウディ・アレンお得意のラブコメなのだが、ゴードン・ウィリスによる撮影が美しく絵画的なNYの風景が心に染み渡る一級の女性讃歌になっている。

全編ウィッ
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

5.0

昔、子供の頃にテレ東で観たときはあまりの切り株&グロ描写にビビったものだがスピルバーグの映画的な【見せ方】の素晴らしさはかのヒッチコック作品に比肩しよう。

主演のロイ・シャイダー、ロバート・ショウ、
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(1963年製作の映画)

5.0

【HUNT🦅】

私が小6のときNHK名画劇場でヒッチコックの『めまい』が放映されていた当時は「古めかしい映像だなぁ」と思っていた。

ジェームズ・スチュワートの如何にもアメリカ人的なマスクといい、テ
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