似太郎

暴力脱獄の似太郎のレビュー・感想・評価

暴力脱獄(1967年製作の映画)
4.2
【手段は問わない】

スティーヴ・マックィーン主演『大脱走』に於ける【個人の闘争】をより突き詰めた印象のある脱獄劇。ポール・ニューマンが野生的なタフガイを演じ切っており本作から頼れる兄貴の鑑へと変貌。

さすがは『傷だらけの栄光』や『ハスラー』のチンピラ/アウトロー俳優だけはあり、貫禄を感じさせる名演。漢のダンディズムとはまさにこの事。

何度も脱獄を繰り返しては連れ戻される主人公の『シーシュポスの神話』みたいな構成が異色で、如何にもアメリカン・ニューシネマらしい「負」のエネルギーに満ちている。全てのワーキング・クラスの為の明日に向かって全速力で突き進む大人の御伽噺。

また脇役のジョージ・ケネディのおっさんもイイ味。かなり不条理度の高い作品だが、ハラハラ感が持続して面白かった!😆
似太郎

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