愛する男女の前に立ちはだかる階級の違いという障壁に苦悩する侯爵を描く、ピエトロ・ジェルミ1953年作品。ここ最近何本か観た「職業人としての自立と愛情との間で葛藤する強い女性」とは打って変わって従順な女>>続きを読む
町医者の女性が自分の仕事と男性との愛のどちらを選択するか葛藤する1953年のフランス映画。最後の最後まで主人公がどう決断するか分からないという筋書きにハラハラした。この「仕事一筋の女性に男性が愛想を尽>>続きを読む
NETFLIXの週間グローバルTOP10で1位を獲得した話題作で、いわずと知れた北条司の原作漫画の実写化。同作の実写化は以前にフランス版を観てて、アニメ版で慣れ親しんだ世界観を忠実に再現した演出に原作>>続きを読む
恋に一途な女性の全力疾走の生き様を描いてて、見上愛の弾ける魅力が全てと言って良いくらい輝いてた。原作コミックは全く知らず、「ちょっと思い出しただけ」の松井大悟監督という理由だけで鑑賞。松井監督は「君が>>続きを読む
完全にシドニー・スウィーニー目当てで鑑賞。絵に描いたようなボーイ・ミーツ・ガールで、予告編を見て「嘘から出た実」的な話だろうなというのは大体予想が付いてたけど、そう単純な話じゃないというところにヒネリ>>続きを読む
ごく平凡で幸せな家族が、成り行きから親交を深めた家族に招かれた先で体験する違和感が何とも居心地悪く、ジワジワと観る者の心を侵食してくる不思議なホラー。外面を取り繕ったことが災いして相手のペースに巻き込>>続きを読む
倦怠期の夫婦に偶然訪れた浮気の発覚をきっかけに、夫婦それぞれの隠された思いが回想を通して明らかになって行くジャン・ドラノワ監督1954年作品。この監督は、内容を覚えてないけど「賭けはなされた」を昔に観>>続きを読む
民泊を借りに来た女性が異常な出来事に巻き込まれていく不条理ホラーで、全く予想のつかない展開や、中盤で舞台が切り替わる構成などなかなか新鮮だった。最後に明かされる事態の真相が全然頭に入ってこなくて、モヤ>>続きを読む
そのカメラで写真を複製すると被写体の人物が死んでしまうという不思議な現象を利用し、善良な男が悪人退治にのめり込んでいくコメディ仕立ての寓話的な作品。ネオレアリスモで世界的に認知されたロベルト・ロッセリ>>続きを読む
はるか昔に観たマルセル・カルネ監督の名作を再鑑賞して、2部構成で描かれる男女のやり切れない愛憎劇にどっぷり浸かった。一度観たはずなのに内容を全く覚えておらず、初見の感覚で観られたのが良かった。パリを舞>>続きを読む
孤独な楽曲制作に耽る音楽青年と、彼を表舞台に引っ張り出す女性が織りなす青春ストーリーで、全編に流れるDTMの音楽が心地良かった。序盤で清澄に強引に迫る潮の行動の荒唐無稽さに引いたけど、桜田ひよりの弾け>>続きを読む
人生に躓いた台湾人青年が、大切な思い出である日本人女性とのひと時の交流を見つめ直して行くほろ苦い青春ストーリー。藤井道人監督がこういうベタな青春モノを撮るとは思ってなかった。惹かれ合う男女がなかなか結>>続きを読む
ベラルーシ政府がEU混乱を目的としてポーランドに送り込んだ難民たちが、地獄のような仕打ちを受けて行く様子が見ちゃおれなかった。こんな酷いことが極く最近まで実際に起きてたというのが衝撃的。全編重々しいモ>>続きを読む
イタリアを舞台に、幸せに暮らす家族が一人の男の介入によって壊れていく悲劇を描いてて、「ニュー・シネマ・パラダイス」で本作の場面が引用されたとのことだけど全く覚えてなかった(同作では当時の新作映画として>>続きを読む
合唱部の中学生男子がヤクザにカラオケで歌を教えるという突飛押しもない筋書きに、思春期の少年の成長という普遍的な要素が盛り込まれててほっこりした。山下敦弘監督は「苦役列車」や「もらとりあむたま子」が良く>>続きを読む
ボクシングの八百長試合の裏でうごめく男たちの欲望をよそに試合に立ち向かう老ボクサーを描いてて、短い時間の中で緊迫した運びに引き込まれた。上映時間がそのまま劇中の時間進行と一致するのは、アニエス・ヴァル>>続きを読む
ロシア・ウクライナ戦争開戦直後のマリウポリの20日間を捉えた衝撃のドキュメンタリーで、ネット配信で観逃してた本作を映画館でやっと鑑賞。ロシア軍にじわじわと包囲されて行く中で、限界まで現場の惨状を記録し>>続きを読む
幼少期のトラウマから暴力衝動を抑えられなくなった少女を描いてて、快方に向かうかと思えば症状再発を繰り返すベニーにやるせ無くなった。彼女を支えようとする周囲の努力が涙ぐましい一方で、ベニーを恐れて引き取>>続きを読む
前情報を一切入れずに観た濱口竜介監督の最新作。長野県の高原を舞台に、自然を守ろうとする現地住民と利益優先で商業施設建設を目論む会社との軋轢と歩み寄りをユーモアたっぷりに描く。「ドライブ・マイ・カー」で>>続きを読む
裏社会の孤独な男が家族を殺された少女の復讐に関わっていく話。登場人物ほぼ全員オラオラ系で取っ付きにくかったのと同時に、全編に亘る汗臭い熱量は圧倒的。森田想の無鉄砲さと時折見せる弱さとのギャップに引き込>>続きを読む
希望に満ちた女子大生の目の前に拓かれた2つの正反対な人生の可能性を並行して描いていく作品で、どちらの生き方を選択したとしても、最後に自分の人生を納得できるかどうかは己の覚悟次第という普遍的な話になって>>続きを読む
女子感化院を舞台に、手に負えない不良少女と彼女の心を解放に導く女性との関係を描く1938年作品。素直な心を取り戻す少女の献身と愛情の葛藤、職務に情熱を捧げる院長の婚約相手とのすれ違いなど人間ドラマが味>>続きを読む
人家に生息する小さな貝がまるで人間のように生活する様子を捉えたモキュメンタリーで、実写のリアルさとストップモーションアニメの可愛さの共存が何とも不思議な空間を演出してた。過去の悲劇的な体験により前に進>>続きを読む
連続行方不明事件の犯人を囮捜査によって突き止めようとする、ロバート・シオドマク監督1939年のノワール作品。タイトルの「罠」は、犯人が標的を捕まえるための新聞広告と、警察が犯人をおびき出す囮捜査の両方>>続きを読む
自己の性癖に苦しむ男性と父親の介護に執着する女性との奇妙な交流を描いてて、とにかく終盤まで続くひたすら地味な進行がなかなかキツく、それだけに終盤で一気に動く展開に息を呑む。カルロス・ベルムトは「マジカ>>続きを読む
人生が停滞してた男が亡くなったはずの両親と再会する山田太一の原作小説を、「荒野にて」のアンドリュー・ヘイ監督が再映画化。昔に観て大号泣した大林宣彦版が自分にとって大切な作品なので、主に同作との違いを気>>続きを読む
母とのパプリカチキン作りを通して、亡くなった父の喪失を乗り越えようとする少女が巻き起こす一騒動を描くフランス製のアニメ。抽象化された美しい色彩の絵柄の中に、各キャラクターの人間臭さが刻印されるという不>>続きを読む
だいぶ昔に観て引くほど号泣した作品。山田太一の原作小説をアンドリュー・ヘイ監督が映画化した「異人たち」が明日公開ということで、復習の意味を込めて大林宣彦監督の名作を再鑑賞。自分の両親が他界した今改めて>>続きを読む
夫とともにイタリアの火山島にやってきた難民女性の孤独と苦しみを描く、ロベルト・ロッセリーニ監督1949年作品。「ガス燈」「聖メリーの鐘」などそれまでのイングリッド・バーグマンの美しく清純なイメージを覆>>続きを読む
ローマを舞台に、縫製工場で働く仲良し3人娘の青春のひと時を描く群像劇。邦題「スペイン広場の娘たち」で検索してもFilmarksでヒットせず。マルチェロ・マストロヤンニがキャスティングされてて、いつ出て>>続きを読む
綺麗ごとではない夫婦の赤裸々な結婚生活を描くイングマル・ベルイマン監督1950年作品で、争いの絶えない夫婦が最終的に互いを受け入れる姿に、前年に撮られた同監督の「渇望」と共通するテーマを感じた。本作は>>続きを読む
中国を拠点に映像制作やインフルエンサーとして活躍する監督の竹内亮が、2011年にNHKの番組取材で訪れた長江沿いの旅程を10年後に辿り直すドキュメンタリー。なんと言っても監督の大らかでユーモア溢れる人>>続きを読む
女性に対する憎悪から自分の犯行を止められない狙撃犯の苦しみを描く、エドワード・ドミトリク監督1952年作品。この監督ははるか昔に「十字砲火」を観てた(内容覚えてないけど‥)。主演のアーサー・フランツが>>続きを読む
予告編を見てサイコパスが登場するクライムサスペンスかと思ってたら、良い意味で裏切られた。パク・フンジョン監督は「THE WITCH 魔女」の1作目が好きで、本作でも素早く残酷なアクションが盛り込まれて>>続きを読む
14歳でエルヴィス・プレスリーに見初められたプリシラの愛の遍歴を描いてて、ケイリー・スピーニーが本当に14歳みたく思える冒頭に、プレスリーがロリコンにしか見えない危うさが漂ってハラハラした。ソフィア・>>続きを読む
謝礼を目当てに年下男子の童貞を奪う依頼を引き受けた年増の女性を描くコメディで、ジェニファー・ローレンスの身体を張った覚悟の演技が痛快だった。話としては、引きこもり男子が経験豊富な年上女性に成長の手助け>>続きを読む