たくさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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終わらない週末(2023年製作の映画)

3.7

気晴らしの旅行に出た一家が宿泊先で不可解な現象に見舞われていく不条理モノで、世界で起きてる重大なことは一般市民にはいっさい知らされず、こうやって訳の分からないまま巻き込まれていくんだろうなという、ある>>続きを読む

カレとカノジョの確率/一目で恋に落ちる確率(2023年製作の映画)

3.5

ほんのわずかなタイミングのずれから運命的な出会いをする男女を描く王道のラブコメで、ヘイリー・ルー・リチャードソン目当てで観たんだけど一瞬誰?ってくらい見た目がふくよかになってて、ある意味親しみが持てた>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.9

ハルコンネン家に一族を滅ぼされたポールの復讐を描くシリーズ第二弾で、前作で芸術性に傾きすぎた嫌いのあるドゥニ・ヴィルヌーヴ色が、芸術性はそのままにエンタメ要素が加わって相乗効果を生んでた。ドルビーシネ>>続きを読む

青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

4.0

全編に映画愛が溢れてて、その溺れそうになるくらいの熱量にジーンと来た。本作の監督である井上淳一自身が若松孝二に弟子入りして監督デビューするまでの自叙伝で、前作で今ひとつ役にハマってなかった井浦新が、本>>続きを読む

猫とピットブル/キットブル(2019年製作の映画)

3.7

「私ときどきレッサーパンダ」の上映前に流れた短編。怯えながら暮らす野良猫が、目の前に現れた飼い犬のピットブルとの距離を少しずつ縮めていく様子にジーンと来た。最初は巨体でいかにも狂暴そうなピットブルに警>>続きを読む

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

3.9

期待を上回る出来だった!母親に抑圧された思春期の少女の葛藤を変身モノに象徴させるファンタジーで、展開のテンポの良さと生き生きしたアニメーション表現の見事さに最後まで惹きつけられた。ディズニープラス限定>>続きを読む

ルック・オブ・サイレンス(2014年製作の映画)

3.8

1965年に誕生したインドネシアの軍事独裁政権下の大量虐殺の遺族が、家族を殺した加害者とその関係者に接触していくジョシュア・オッペンハイマー監督のドキュメンタリー。加害者自らに虐殺の様子を演じさせた同>>続きを読む

執炎(1964年製作の映画)

3.7

一人の男を自分の命を懸けて愛し抜く女の執念を描く蔵原惟繕監督1964年作品。蔵原監督といえば自分にとっては「愛と死の記録」で、本作でも戦争に引き裂かれた男女の図式と愛の狂気を描き、こういう話をやらせた>>続きを読む

スウィート・シング(2020年製作の映画)

3.8

親の下でのすさんだ生活から抜け出し、自分たちの世界を見つけようと放浪する姉弟の姿を瑞々しく描いてて、無力な子どもたちが行き場を失う状況がやるせなかった。モノクロ映像の中にときどき差しはさまれるカラー映>>続きを読む

とらわれて夏(2013年製作の映画)

3.7

脱獄犯と彼をかくまったシングルマザーとの間に愛が生まれる夏の5日間を息子の視点から描いてて、ケイト・ウィンスレットの情緒不安定な危さとジョシュ・ブローリンの抑えた演技が生み出す適度な緊張感が心地良かっ>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.0

面白かった!ある男の犯行現場を目撃した少年グループがその犯人をユスっていく話で、サイコパス同士の行き詰まる頭脳戦が、同じ金子修介監督による「デスノート」の夜神月とLとの攻防を連想させる。クズ男の後にそ>>続きを読む

ひとつの太陽(2019年製作の映画)

3.8

四人家族の揺れ動く関係性に人間味が溢れる台湾映画。正反対の性格を持つ息子のうち出来の悪い方が残っちゃうとか、息子との接し方に戸惑う不器用な父親など、良くある家族関係を丁寧に描いててジーンと来た。ギャグ>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.7

父親の虐待で身体障害者となったことにより愛を諦めた男が、犬との共生に身を投じながら死に場所を探す感じの話。リュック・ベッソンらしいケレン味に満ちた演出を堪能したけど、ダグラスが人の愛を諦めるのがちょっ>>続きを読む

ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

3.7

現実と非現実の区別がつかなくなった女性の混乱を描くロバート・アルトマン監督1972年のミステリー。全体的に難解な作風なんだけど、主人公の結婚生活に対する不安を投影した作品のように思えた。幻想的な演出の>>続きを読む

スペアキー(2022年製作の映画)

3.7

抑圧された生活を送る少女がひと夏の体験を経て一歩踏み出す話で、地味ながら少女の繊細な心が画面に溢れてたのが印象的。貧乏な家庭ほど子だくさんというのは良くある話で、家庭に何となく居場所がない少女の姿に「>>続きを読む

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

3.8

超有名な本作を観たことがなく、ついこないだNetflixの新着に挙がってきたので観てみた。ジャーナリスト志望の女性が人気ファッション雑誌の編集部で悪魔のような女上司の下で奮闘する話で、かなりデフォルメ>>続きを読む

スペースマン(2024年製作の映画)

3.6

孤独なミッションを遂行する宇宙飛行士が、自分から心が離れた妻との愛を取り戻そうとする話で、壮大な宇宙空間できわめてプライベートな家族の話が展開するのが「アド・アストラ」を連想。主人公の名前がヤクブ(=>>続きを読む

ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.8

オリジナルの中国・香港合作版(2016)を1年前に観てたので映画館で観るか迷ったけど、キム・ダミのファンなので思い切って鑑賞。結果的にキム・ダミの演技が堪能できて良かったし、チョン・ソニも役にハマって>>続きを読む

18歳のおとなたち(2023年製作の映画)

3.2

法改正により成人となった18歳の若者たちが、大人と子どもの狭間で葛藤しながら前に進もうとする青春ストーリー。正直、チープな映像とBGMとベタ過ぎるエピソードのてんこ盛りに面食らった。脇役がまた微妙で、>>続きを読む

コットンテール(2022年製作の映画)

3.8

妻の死をきっかけに断絶してた息子と向き合って行く男の話で、顔のアップ映像を多用した抒情的な映像が登場人物の心の動きを繊細に表現してた。遠いイギリスの地であえて孤独な空間に身を置く男を哀しみと身勝手さか>>続きを読む

(2022年製作の映画)

3.7

父との断絶した関係から目をそらし、父と同世代の男性との情事に身をゆだねる女性を描いてて、原作者である山崎ナオコーラの女性から見た男への視線がやけにリアルだった。世間で毛嫌いされがちなオッサンという存在>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.8

売れない作家が偽名で出した低俗本が予期せぬ人気を博する話で、黒人を題材にした話はステレオタイプ的に描く方が白人に受けるというのが強烈な皮肉になってた。自分のプライドが安易な商業路線に向かうことを許さな>>続きを読む

夫婦百景(1958年製作の映画)

3.6

戦後日本で生活する様々な夫婦の形を群像劇として描く1958年公開のコメディ。高度経済成長期の活気が画面に溢れてて、現在の貧困化した日本においてこの時代の映画を観ると、かつて日本にも未来に希望が持てる時>>続きを読む

トムボーイ(2011年製作の映画)

3.8

よくある少年時代の夏休みの地味な一コマかと思ってたら、後半でまさかのびっくり展開を見せるセリーヌ・シアマ監督2021年作品。タイトルは「おてんば娘」という意味で、英語圏の人ならタイトルだけで内容がすぐ>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.6

あまり評判の良くない本作に不安を抱きつつ観たけど、ガールズムービーっぽい感じがなかなか楽しめた。辻褄の合わない部分が散見するのが気になったのと、主人公の特殊能力が地味なのがマーベルシリーズとしてアクシ>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.7

アフガニスタンに駐屯するアメリカ兵とアフガン人通訳者との友情を、スリリングな展開で描くガイ・リッチー最新作。この監督にしては珍しくシリアスな内容だけど、スタイリッシュなカメラワークにやっぱり彼らしさが>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

山荘で起きた転落事故をめぐる真相究明の顛末を通して、裁判とは真実を明らかにする場ではなく、結論を選択する場なんだという裁判の本質を見事に描いてた。最後までどんでん返しを疑いながら観てて、鑑賞後も実は真>>続きを読む

ミックステープ 伝えられずにいたこと(2021年製作の映画)

3.8

両親を事故で亡くした少女が、親が残したミックステープの曲目を辿って自分へのメッセージを確かめようとする話で、主人公が明るさを失わず健気にふるまう姿に泣けた。登場する数々の曲はほとんど知らなかったけど、>>続きを読む

イカとクジラ(2005年製作の映画)

3.6

両親の離婚をきっかけに、自分にとって偶像だった父親への感情が揺らいでいく青年を中心とした家族崩壊を描く、ノア・バームバック監督の2005年作品。無駄にプライドの高い父親が自作小説の価値を認めない周囲を>>続きを読む

ジョン・バティステ:アメリカン・シンフォニー(2023年製作の映画)

3.5

ジャンルを超えて幅広く活躍する多彩な音楽家であるジョン・バティステを追うドキュメンタリー。彼がカーネギーホールでの自作シンフォニーの一夜限りの公演を実現させるまでの軌跡と、グラミー賞で11部門のノミネ>>続きを読む

ミス・アメリカーナ(2020年製作の映画)

3.8

音楽界の第一線で活躍し続けるテイラー・スイフトが、舞台人としての表向きの顔の裏で抱える様々な心情を吐露する様子を捉えたドキュメンタリー。彼女の曲は全く知らなくて、その風貌からキツい性格かと思ってたら、>>続きを読む

雪山の絆(2023年製作の映画)

4.0

実際に起きたアンデス山脈の飛行機遭難事故の壮絶なサバイバルを描いてて、信じられないような長期間に亘る極寒生活の中で奇跡の生還に賭けて最後まで諦めない人々の姿にジーンと来た。エモーショナルな描き方が絵的>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

アリ・アスター監督の最新作は、中年男が不条理な状況に振り回されつつ、それまで避けてた母親との関係に向き合わざるを得なくなる話。「ヘレディタリー」「ミッドサマー」でも描かれた家族関係の恥部を晒すような題>>続きを読む

バッドランド・ハンターズ(2024年製作の映画)

3.6

大地震で世界が荒廃し、倒壊を免れたマンションで独裁的な社会を作る一人のいわくつきの男を描く韓国映画という要素が、「コンクリート・ユートピア」と被り過ぎてて面食らった。調べると、両作はあえて同じ世界線に>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.8

17世紀の朝鮮を舞台に、当時の記録に残る王朝内の謎の死を巡って盲人が真相の暴露に奔走するサスペンスの手に汗握る緊迫感にハラハラした。一介の鍼医に過ぎない存在が王朝の最高権力者と対峙するという、どう見て>>続きを読む

PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

3.5

自分をいじめてたクラスメイトたちが殺人鬼に誘拐される現場を目撃した少女が、自分の取るべき行動に葛藤するスペイン発のB級ホラーで、グロ要素は弱いし展開もグダグダなのでいま一つ入り込めなかった。主演のラウ>>続きを読む