hikarouchさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

私はあなたのニグロではない(2016年製作の映画)

3.4

40年くらい前のジェームス・ボールドウィンの伝記に乗せて、当時の様子と、現代の様子をクロスオーバーして見せることで、いかにこの問題が昔から今に至るまで満足な進展を見せていないか、さらにはそこには白人側>>続きを読む

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)

2.8

自分は韓国版大好き勢です。

登場人物たちはぼくよりもう2つくらい上の世代なんだけど、当時の時代感はだいたいわかる。ムラスポのショッピングバッグ持ってるとか、リプトンの1Lの紙パックをストローで飲むと
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オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)

3.6

Apple TV+の無料期間有効活用。

こういう、”さり気ない日常の中に、キツめの現実をブチ込んでくる”系映画は好き。
ただハッピーエンドの着地といい、妙に軽いノリが、心地良いような、物足りないよう
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レナードの朝(1990年製作の映画)

4.2

こんなすごい話だったとは。そして実話とは。いやしかしこのお話を映画として素晴らしいものにしているのは、その語り口、切り取り方が素晴らしいからだと思う。

心血注いで接した相手が奇跡の復活を遂げるも、そ
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.2

聞いてはいたが、やはり容赦ない内容だった。気を抜けるタイミングは全くない。

これが事実だと思うとやり切れないが、この事件のことを自分が憶えていないということもまた恐ろしい。それだけこういうニュースが
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ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

4.4

隠れた良作とは聞いていたが、予想以上の傑作で震えた。

気持ちの良い伏線回収映画でありながら、伏線の張り方がさり気ないので、回収されるまでそれが伏線だったことに気が付かないタイプの、伏線回収映画。いや
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JSA(2000年製作の映画)

4.5

愛の不時着を見始めたのがきっかけで、ふと目に止まり懐かしくなって見てみた。
やはり震えるほどの傑作。若かりしイ・ビョンホンとソン・ガンホの共演というだけでも胸アツ。このふたりの演技がやっぱり素晴らしい
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.6

悔しいけど、アニメシリーズも全部見ていたし、漫画も全巻買っているので、別にそんなファンとかじゃないし、悔しいけど、観てきた。

個人的には、この漫画の最大の欠点はアクションシーンの見づらさだと思ってい
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.4

めちゃくちゃ良い。ここ数年のイーストウッド映画の中でも、1,2を争うくらいに好き。

相変わらずの品の良い伏線の張り方・拾い方、ストーリーテリングが間違いないうえに、今回は冤罪サスペンス的にも大変に面
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工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

4.1

素晴らしい韓国映画がまた一つ増えてしまった。
題材だけでなく、話運びも生易しくなく、かなり集中してみていないと細かいところは追えなくなる。ただ大きなストーリーは非常にわかりやすく、クライマックスのカタ
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

3.2

あまり難しく考えずに見れば、結構楽しめる映画だと思う。キャストがめちゃくちゃ豪華だし。

視点は終始被告側に置かれ、原告側、つまり政府側、裁判官、警察などのLow Enforcements側を目の敵に
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グレイハウンド(2020年製作の映画)

3.7

ダンケルクに通ずる、戦場超主観モノ。

敵側の視点は一切なく、終始艦長であるトム・ハンクスの視点で話が進む。
説明的な情報は日時と位置情報のみで、戦況の説明なども一切なし。見りゃわかんだろ、というスタ
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.7

オープニングのオペラハウスでのテロシークエンスが最高。ノーラン映画が始まったあああという感じで一気に高まる。ダークナイトの強盗シーンなどを思い出す。犯罪者目線の犯罪シーンがうまいねこの人は。

ここに
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We Margiela マルジェラと私たち(2017年製作の映画)

2.0

うーーん。
流石に主要な2人(マルタンとジェニー)の映像はおろか写真すら1枚もない中で、理解するのはとても難しい。

また彼らの不在の穴を埋めるように非常に多くの関係者が出てくるが、そこに別にわかりや
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セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

3.6

90年代映画あるあるなのか、長い割には密度が!というやつ。
現代人(ぼくのこと)は中身の濃さを求めすぎで、余白が許せなくなってきてるんでしょうか。それはそれで寂しい(ぼくのこと)。

最後まで見てみ
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日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)

3.9

見応えあり。さすが原田眞人というか、パキッとした画作りが上手いですね。

事を起こす人間たちが、決して邪悪な動機でとか、ちょっとした思いつきでやっている訳ではないということがよく描けていると思う。この
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守護教師(2018年製作の映画)

2.7

定期的に見たくなってしまうドンソクムービー。

映像の質は高いし、映画としてもこのレベルを達成できてる日本映画はほとんどない気もするけど、お話がとにかくつまらん。興味を持てない。
目新しい展開や演出も
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荒野にて(2017年製作の映画)

4.1

馬ちゃんと少年の心温まるお話なんでしょ、と思って見始めると、そんな生易しい話じゃなくてヤラれる。

こんなに不幸な主人公いるかってくらいに、可哀想過ぎる主人公チャーリー。

それでも、どんな困難があっ
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すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

3.8

映画を、観ているつもりで、本当は聴いていたんだなと気づく。

音楽によって、視線誘導すら出来るという話が面白かった。

ジョン・ウィリアムズが偉大すぎるけど、リアルタイム世代だからか、やはりハンス・ジ
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東京物語(1953年製作の映画)

4.7

いやぁ、愉快、愉快。

なんたる面白さ。画面に映るもの、人物たちの言動が興味深すぎて、終始画面に釘付け。

数年前に、山田洋次によるリメイク(?)の「東京家族」を先に観てしまっていたけど、想像以上に丁
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アマンダと僕(2018年製作の映画)

4.0

久々に開始5分で良い映画だとわかる映画。

とにかく美しいパリの街並み。ああ、やっぱパリはいいわあと思わせてからの、いいわあじゃねーぞコラという展開がキツい。

アマンダの涙と笑顔が愛おし過ぎて。ウィ
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見えない目撃者(2019年製作の映画)

2.8

まず良いと思ったのは、お話が面白い(語彙)。主人公の前日譚から、事件との遭遇、解決への関与と、最後に勝負を決めるところまでが、王道感がありつつも、そんなに似たものを見たことがなかった。最後のクライマッ>>続きを読む

マックイーン:モードの反逆児(2018年製作の映画)

4.0

ぜんっぜんファッションとか疎いけど、面白かった。
富と名声をもたらす成功と反比例して、人間としては破滅に向かっていくのも、興味深い。大変失礼な言い方だけど、めちゃくちゃあるあるな感じ。

ファミリーで
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.7

社会の問題を指摘するなら、変にカッコつけたりウソっぽい演出をしないで、こういう風に真実を切り取って見せるのが一番ストレートで、効果的だと思う。もちろん当局からは目の敵にされるだろうから、相応の覚悟は必>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.9

百万年ぶりの劇場鑑賞。またこの手の青春反抗期映画もかなり久しぶりに見た気がする。自分も昔スケボーかじってたので、ロード・オブ・ドッグタウンとか、高校時代によく見たのを思い出した。

スケートとか、ファ
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新聞記者(2019年製作の映画)

2.7

なんでこんなに嘘くさくするんだろう。この手のテーマの映画で、嘘くさくしたらもう何がしたいんだかわからないんだけど。。

内閣情報調査室のオフィスが異様に暗いしやたらスタイリッシュ。日本の省庁なんて絶対
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アップグレード(2018年製作の映画)

3.6

めちゃくちゃおもしろくて、良いところもあるのに、しょうもないところで色々とボロが出ちゃってる感じ。もったいない。

昔は絵空事だった未来像に、いまや現実がだいぶ近づいてきていて、だからこその取捨選択が
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メメント(2000年製作の映画)

4.1

ノーランの初期作。高校生の時に、これを見てるやつはイケてるって空気あったなあ。観るのはその時ぶり。

やはりこのストーリーテリングは天才と言わざるを得ない。もちろんノーランなので、自分で発明した設定や
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.8

ピッチ・パーフェクト、コクソンに続く、XXX映画の系譜。

序盤である人物が犯人だと明かされる、コロンボ式推理モノ。
その人物の最初の登場シーンで、サブリミナルが入るので、こいつ怪しいぜという観客に対
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ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

2.8

シャイニングの続編と思って見ると、結構面食らう。

設定と舞台は引き継いでいるものの、作品の主題や空気は全くの別物だね。もはやフォース同士の闘い。スターウォーズでした。(怒られる)

全編通じて、辻褄
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劇場(2020年製作の映画)

4.1

これは紛れもないベストオブ山崎賢人。かもしれない。

前半は松岡茉優がグイグイと山崎賢人を引き立てていてすごいのだけど、後半はもう普通に山崎賢人が松岡と並び立つほどにすごかった。

この永田という男は
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アス(2019年製作の映画)

4.3

まず、映像、音楽のセンスが半端ない。オシャレな人が作ってる映画だなあという感じで、誤解を恐れずに言えば、終始気持ちの良い映画だった。

今作のシャドウな人たちは、明らかに今の分断されたアメリカ、格差社
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

4.1

魅力的過ぎるデニーロ、ハサウェイ。

定期的に見返したくなる作品。

優しさに溢れまくった展開から、急きょ襲いかかる不倫の闇展開。
正直、この作品にこの展開は要るのかとは思う。もっと素直にほっこり楽し
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フリー・ウィリー(1993年製作の映画)

3.6

子どものころよく金ローでやってたイメージあるけど、初見でした。

めっちゃくちゃわかりやすい話だけど、ジェシーとウィリーが培った信頼関係とスキルが、最後のピンチ脱出の切り札になってるのが素晴らしい。
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劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん(2019年製作の映画)

4.1

終わってみれば、期待どおりに良かった。

いわゆる連ドラ風の安っぽい演技と演出でめちゃくちゃ不安な立ち上がりだったけど、吉田鋼太郎がゲームやり始めてからは相当笑った。

香川県議会への推薦映画だこれは
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ブレイブハート(1995年製作の映画)

3.6

無印良品のお店を思い出す、スコットランド民謡、バグパイプの音色。

内容的には無印どころか、メルギブ印がくっきりついた、男性ホルモンむき出しのお話だった。

極めて飲み込みやすくストレートな話ながら、
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