Kenshoさんの映画レビュー・感想・評価

Kensho

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チーズとうじ虫(2005年製作の映画)

4.4

ボロボロに泣いた。

ドキュメンタリーを撮る、というか撮影するっていうことがすごく重要で、でも同時に日々を記録する側に回ることで、被写体の生活の営みに参加できないという矛盾もかかえていて。

だから、
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.5

寄りがどれも良すぎる。

編集者の老人が、失踪した男は「老い」に勝てなかったと言う瞬間、これしかないという寄りのショットになる。

それから、カメラがふと捉えるいろんな不在が、たまらなく良かった。
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クライシス・オブ・アメリカ(2004年製作の映画)

3.2

退役軍人の精神状態についての映画でありながら、サスペンス要素をふんだんに盛り込んだ作品だった。

勲章というヒーロイックな概念と社会構造が密接に関わり合い、まさにアメリカ的な世界観が展開されている、と
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肉体の冠(1951年製作の映画)

4.7

ナイフを奪い合うシーンが観たくなったから観た。

驚いたのは意外と、カメラがカット毎に後進していくことで滑らかに時空間が繋がれているところだった。

POVの多様とかベッケルは師匠のルノワールよりもさ
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.2

犬が佇んでいる、クッキーを少し煽り気味に見つめる。
クッキーが佇んでいる、枝を見上げている。
鳥が木に佇んでいる。

視線がフィクション的な時空間を繋いでいる。今よりも遥か昔にあったかもしれない時間を
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.0

連発される皮肉の明快さに苦手意識を持たされそうになるけど、モンキーマンが会場を荒らすシーンで涙が流れてしまった。

あの身体の躍動が見られるなら、かったるく感じる150分も肯定できる。

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

-

本当にこの二人にかけがえのない数十年が流れていたのなら、あんなバーの馬鹿げた3人のシーンはありえない。

身体が軽すぎる、それに主演女優とその夫に対する演出が全く効いていない。
ただ、この時代にA24
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.9

エンターテイメントとして脚本が出来すぎていて逆に気持ち悪いぐらい。

ショットもお手本って感じが多くて、POVの使い方とか車が過ぎ去るのを煽りで撮ったりとか、キアロスタミみたいに単純なプロフィールショ
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激突!(1971年製作の映画)

3.8

主人公の方も、最初から結構狂っているということがこの映画を最後まで引っ張っている感じがする。

後ろから押されて横切る電車スレスレを通るところとかサスペンスの演出が卓越しすぎだなと。

あと、単純に荒
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黒い罠(1958年製作の映画)

4.5

ファーストカットの長回しは言わずもがなだけど、最後の橋のあたりのチェイスシーンが素晴らしすぎて、傑作だとしか言いようがない。

ひまわり(1970年製作の映画)

4.3

見渡す限りの銀世界に取り残されるマストロヤンニのカメラを見つめるトラックアウトのショットがあまりにも素晴らしい。

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

4.5

最高。

特に漢江のわきを走ってる時の引きの移動ショットがいくつかあるけど、レンズ感とか完璧すぎる。ライカートとかにすごく感覚が似てる。

それから演出もあまりにもうますぎる。常に宙吊りにされてる感じ
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赤ちゃん教育(1938年製作の映画)

4.7

ゾッとするぐらい演出が上手いし、まじでどうやって撮ったのかわからんショットが多すぎる。

キャサリン・ヘップバーンとかケーリー・グラントが豹のすぐ隣でけろっとしてる感じがすごすぎるし、室内とかで平気で
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地獄の黙示録(1979年製作の映画)

3.9

ヴェトナムに行ったけど未だに見てなかったので。

朝のナパームは格別だとかは最高の皮肉だけど、解放戦線とか南と北、その裏にいる西と東っていう、それぞれのイデオロギーさえも超えたところにある戦争批判の密
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.3

徹底的に削ぎ落としたところにある広がりみたいなものが、最後にぐっと花開いていく。

今までの三宅唱映画よりも少し人物に近く、でも近すぎない、ある種の優しい距離がある映画だった。

人物に寄り添って、細
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ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

4.2

記憶とは何かという問いが、映画におけるフィクションとは何かという問いと分かち難く結ばれあってる

冷たい水(1994年製作の映画)

4.2

少女が燃え盛る炎の手前を這いずり回るところとか、良いショットすぎてびっくりする。

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