犬が佇んでいる、クッキーを少し煽り気味に見つめる。
クッキーが佇んでいる、枝を見上げている。
鳥が木に佇んでいる。
視線がフィクション的な時空間を繋いでいる。今よりも遥か昔にあったかもしれない時間を、視線によって受け入れることができる。
観てからちょっと経ったけど、ライカートの演出家としての腕が全面に出た感じの映画だった。
木に登って観測するキング・ルーは木登りを始めた瞬間から落下するサスペンスと、見つめ返される=発見されるサスペンスに満ちていた。
二人の盗みはバレてしまい、逃亡を図るが、川岸でこれまたキング・ルーが川の中へ落下することで二人は離散してしまう。
そして怒涛のラストへと向かっていく。