ミシンそばさんの映画レビュー・感想・評価

ミシンそば

ミシンそば

胸に輝く星(1957年製作の映画)

3.5

所謂、修正主義西部劇と言う、先住民の扱いの刷新とか暴力による解決の否定を盛り込んだ新ジャンルを、より明確にアメリカ人に認識させた意欲作だと思う映画。
これ以前にも「牛泥棒」とか常道から逸脱した作品はあ
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犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)

4.0

一作目を観てないもんだから敬遠していたシリーズだが、ちょっと待ってよ無茶苦茶面白いじゃない。

不快度の高い異常者の悪役を、「エターナルズ」出演でハリウッド進出も果たした、名実ともに無敵のヒーロー化し
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カドリーユ(1937年製作の映画)

3.4

当人同士が納得ずくなら、もうそれでいいんじゃないかな?って着地の仕方をする、ギトリ渾身のコメディ。

編集長、舞台女優、ハリウッドスター、女性記者、四者四様それぞれの思惑が、寝取り寝取られなギトリお得
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ベルリン・天使の詩 4K レストア版(1987年製作の映画)

3.0

この映画に挑むのは二度目だが、またしても玉砕。
疲れを持ち越していたのも多少あるが、半分以上寝落ちしてしまった。
名作中の名作であることは頭で分かる映画で、設定とかよく練られてることさえよく分かるのに
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デジレ(1937年製作の映画)

3.5

サッシャ・ギトリ作品を観るのはこれで二度目だが、この人の撮る映画は本当にセリフ量が多くて話も脱線しまくり。
その脱線の中に重要な伏線も仕込む意地の悪い映画の作り方をするもんだから、集中力を欠くことが出
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犯罪都市(2017年製作の映画)

3.4

年を追うごとにバルクが盛られてゆき、シリーズ最新作ではほぼ熊みたいになってるマ・ドンソク主演の、一応実話のシリーズ一作目。
一応って注釈が必要になるレベルでメチャクチャで、暴力的な映画。
冒頭に警告文
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シャーロック・ホームズの素敵な挑戦(1976年製作の映画)

3.4

Stingray版DVDを再鑑賞。
シャーロック・ホームズもののパスティージュ、言ってみれば二次創作作品の映像化。
ニコール・ウィリアムソンのホームズに、ロバート・デュヴァルのワトソンって、ロバート・
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年に一度の再会(2015年製作の映画)

3.0

何となく、舞台は南部なんじゃないだろうかって思う、湿気強めの情景の中で、疎遠だった兄弟が再会する。
時間帯は深夜と早朝の間くらいで、二人とも大荷物。

鍵を開けて墓地に入ってからも何をするのかは明確に
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夜の話(2000年製作の映画)

2.6

長編フィルモグラフィは結構職人監督っぽいなと感じる吉野耕平さんのデビュー作となった短編。
ぼやけててシュールで、淡々としている、タイトルの「夜の話」と言う以上の意味をそれほど感じない短編だった。

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劇場版 ポールプリンセス!!(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ミリしらなアニメだったので、ノれはしないだろうなとは思っていたが、観ずに後悔するより観て後悔しろの精神で鑑賞。
ツアー上映だから一週間しか観れないしね。

もととなったアニメはものすごいさらっと冒頭で
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

バックパッカーの年上女性に脳を焼かれまくった青年の、非常に瑞々しい青春の日々を描く作品。
思い出はいつもキレイだけど、未来から俯瞰したら呪縛にしかなり得ない。

大学時代に立ち上げたゲーム会社を乗っ取
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ドランク・モンキー/酔拳(1978年製作の映画)

4.0

80年代の、ひどく淡白で口がパッサパサになるようなジャッキー映画に比べると、本当にビビるほど面白い。
若いジャッキーの身体能力が全盛期で、死亡説も流れるレベルの大怪我を経ていない(多分経てないだろう…
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香港発活劇エクスプレス 大福星(1985年製作の映画)

2.6

この作品をジャッキー映画として喧伝するのは真面目に詐欺だと思う。
ジャッキーが活躍し始めるまで長い上に、サモ・ハン主演の映画としても真面目さに欠けるスケベで中弛みが多い演出ばかり。
ジャッキー映画にも
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シティーハンター(2024年製作の映画)

3.8

一月以来のネトフリでの鑑賞。
ここのところこのサブスクから映画に対する熱意を感じられないからしばらくU-NEXTばっかり観ていたが、これは良実写化ですね。

まず鈴木亮平の冴羽獠に対する解像度の高さが
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ParkingArea(2022年製作の映画)

2.7

何だかタルコフスキーの真似事みたいな、不思議さだけの短編、と言った感じ。
面白くなさではなく、分からなさでこのレベルのスコアに落ち着くのは初めてかもしれない。

水の演出とか入り組みまくりな高速道路の
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ブキャナン・ライズ・アローン(1958年製作の映画)

3.5

かなりランタイムは短いながら、色々なことが立て続けに起きる騒がしい、娯楽色の強い西部劇。
バッド・ベティカーはやっぱこの手のジャンルの名手だな。

アグリー一家(ひでえ名前…)が牛耳るアグリータウンを
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麦の穂をゆらす風(2006年製作の映画)

3.6

「信頼は武力で取り戻せる」、「我々を暴力で抑圧するなら我々も暴力で抵抗する」
作中のセリフだが最悪が過ぎると素直に思う。
キレイごとが罷り通らない時代背景ではあったし、最悪ではあっても人の本質がただた
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マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985年製作の映画)

3.3

乱造自体はされてるんだが、割りと良作揃いな印象の強いヨーロッパの思春期映画。
子供の頃に観ておくべきな映画であることは間違いないんだが、人格完成前にいくつもの悲劇を経験して情緒がグズグズになるというこ
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ハムレット・ゴーズ・ビジネス(1987年製作の映画)

3.5

ハムレットをよく知らないのだが、少なくともここからハムレットの門戸を叩くのは間違ってるって事だけは分かる。
カウリスマキが、大きな改変こそはしなかったが我は通した、バカにしていると思われても気にしない
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パンと恋と夢(1953年製作の映画)

3.2

物凄く観やすいタイプの能天気コメディ。
ネオレアリズモとイタリア式コメディの間に位置するような立ち位置の作品で国際的な評価も高く、今日知ったが続編が二つも作られるほど人気の作品だったようだ。

都会か
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異人たち(2023年製作の映画)

3.4

LGBT映画に一切の偏見がないとは、さすがに言えませんよ。聖者でも相手にしているつもりか?
でもSNSで「両親に自身がゲイであることをカミングアウトする」場面があるってのを知って、観ることを決めた次第
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アクトレス 女たちの舞台(2014年製作の映画)

3.4

舞台にまつわる映画だが、そこに至るまでの過程を丁寧に、且つ飽く迄俯瞰的に描いた、オリヴィエ・アサイヤス監督作品。
過程の映画なもんだから、モレッツの出番は多くなく、脂が乗り切っていた時期の彼女目当てで
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

3.4

金ローで昨日鑑賞。
劇場版コナンは、年々荒唐無稽の度合いが増してて、実写で出来ないブロックバスター映画をアニメでやってる感をどうしても感じてしまう。
(それが自分が、出来るだけ劇場版コナンをスルーする
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一日の行楽(1919年製作の映画)

3.3

U-NEXTに唐突に大量入荷していたチャップリン初期作品。
何気にチャップリン作品をちゃんと観るのは初めてな気がする(どんなものかはぼんやり知っていたけど)。
超ドタバタな、ブルジョア家庭の休日の過ご
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疑惑(1982年製作の映画)

3.4

松本清張原作映画は多分観んの初めて。
こう言うの避けてきたから。

桃井かおりが容疑者で、岩下志麻が弁護士。
タッグではあるが、「愛と喝采の日々」を意識したとも語られるとこから分かるように、実質「VS
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雨のまにまに(2020年製作の映画)

3.0

現実では見たことないけど、非現実では割りとよく見る「この距離感で付き合ってないとか嘘だろ!?」って男女の、何か変わるかもしれない予感がしまくる趣な短編。

灰色の青春を過ごした自分に言わせりゃなんても
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励ましの言葉(2004年製作の映画)

3.3

最後まで観て「なるほど!」と正直思いました。
今ではそんなでもないのかもしれないけど、製作からもう20年も経っているもんだから、当時としては自分以外も多分そうなったと思う(出てくる機械が全部微妙に古い
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クラメルカガリ(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ロビーに出て喰いもん買ったらもう案内開始。
忙しないわね。
まあ、こう言う時間割だからこそ今日出てくる決心着いたんだけど。

シナリオ構成段階で成田良悟氏の手が加わったらから、前作と比べてキャラの立ち
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クラユカバ(2023年製作の映画)

2.9

スチームパンク×大正ロマンとでも言うべきこの独特な世界観にノれるか…いや、曳かれるかどうかがすべての映画だと思う。
自分はノれなかったからこんなスコアなわけですが。

これ書いてる時点では同時公開だけ
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.0

今週はマジで映画観なかったなあ、と述懐する日曜の昼。
やや遠出して、アニメ映画を三本観るつもりです。
これは一本目、挑戦的な極彩色タッチで描かれた、朧気な記憶の中にある想い出の料理に辿り着くためのコメ
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眼には眼を(1957年製作の映画)

3.3

久々に平日に風邪引きました。
このところの気候は本当に体に堪える。
それはそれとして、本作は今回で三回目の鑑賞。
体調が悪い時に観るもんではないなぁとは思っていたが、逆に今かな?とも思ったので観た次第
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オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

好きか嫌いで言えば、嫌いな部類に入る映画だけど、それはそれとして完璧な前日譚ではあると思う。
「オーメン」一作目は当然観たことはあるが、正直円盤を売り払って大分経つからそんなに内容も覚えていない。
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

鉄の爪ことアイアンクロー、その技自体は当然知っているし、フォン・エリック家についてのことも、観るにあたってざっと調べた。
本当に悲劇に満ちた、“呪われた一家”だ。
それを、唯一今も存命な長男(夭折した
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

4.0

スティーヴン・スピルバーグを時代の寵児へと導いた最古ではないが最高のサメ映画。
最早その、サメ映画と言うカテゴリで括るのが失礼まであるようなド名作で、今回で4回目くらいの鑑賞だがやっぱりめちゃくちゃ面
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汚れた血(1986年製作の映画)

3.5

キャリア初期のレオス・カラックスって、ガチのマジで「革命児」そのものだったんだなって痛感させられる、異質も異質な映画。
ただ、この時点でめっちゃ好き嫌いがハッキリ分かれる映画だなあ…ともどうしても思っ
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12日の殺人(2022年製作の映画)

3.4

「ハリー、見知らぬ友人」のクセ強感が絶妙だったドミニク・モル監督最新作。
実際の未解決事件を題材にした、フィクションが原作のため、登場人物の意志はともかくこの映画が到達できる地点は「未解決のまま」と言
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