ミシンそばさんの映画レビュー・感想・評価 - 31ページ目

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

4.6

公開初週には時間の都合で観れなかったがようやく観れた。
前評判通りの素晴らしい映画だった。
様々な事情から日陰者的立場に甘んじ、そこに安住する道を選ぼうとしつつある四人の男女が主要人物。
野球のシーン
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狂武蔵(2020年製作の映画)

3.0

正直77分ワンカット殺陣という見せ場ありきの映画だと思う。
野心的だけど面白いか、と言うと……
一回頓挫した企画を再構築すると、どうしても最後だったり中盤だったりに「寄せようとしている」感が出てしまっ
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弱虫ペダル(2020年製作の映画)

4.0

原作はほぼ知らない。たまたま一話だけ観たアニメは「ヒーメヒメヒメ」って劇中歌がちょうど「回復魔法」だのなんだの言われてた話で、その話だけ観て草生やしてた。
それだけに期待度は相当に低かった。だが、(こ
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劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel Ⅲ.spring song(2020年製作の映画)

4.2

これ以上の着地はあり得ない。
諸々の待った期間が全て、無駄にならなかった完璧な完結編。

アングスト/不安(1983年製作の映画)

2.9

たまたま地元の映画館に来たので、上映開始日に観た。
演出の端々に感じる「新しさ」は、多分「誰もやろうとしなかった」からという部分もあるのだろう。
一人称視点映画で、ここまで観客に客観視を強いる映画も珍
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

5.0

2021年までのオールタイムベストの10位。
今年の1月10日に地元の小さな映画館(客は自分以外居なかった)で観て、唐突にオールタイムベストを更新した映画。
上映時間が2時間半もあるが、地獄の黙示録の
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野のユリ(1963年製作の映画)

5.0

2021年までのオールタイムベストの9位。
黒人差別が今よりもバリバリあり、半ば合法的だったとさえ言っていいような時代に、まるで差別なんてないかのように描いた異色の作品。
シドニー・ポワチエが演じる主
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俺たちは天使じゃない(1955年製作の映画)

5.0

オールタイムベストの8位→10位(2022年から)。
主要な登場人物は全員凶悪犯で、相手が悪党とは言えやることは結構えぐいのだが、なぜかゆるい展開に終始する。
ボギー、アルド・レイ、ユスティノフの纏う
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桜桃の味(1997年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

オールタイムベストの7位。
観たのは今年のコロナ禍直前で、ジグザグ三部作のうちの二作を観た後に観て、想像以上に引き込まれた作品。
自分は、よく夜中に一人で車を走らせ、宛てもなくどこかへフラっと行くのだ
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オール・ザット・ジャズ(1979年製作の映画)

5.0

オールタイムベストの6位。
自分は「ミュージカル映画は50年代以降作られていない」と強弁するMGMミュージカル過激派という自負を持っているのだが、そんな自分が「雨に唄えば」と双璧を成すほど好きな「ミュ
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突撃(1957年製作の映画)

5.0

オールタイムベストの5位。
戦場の息苦しさがすごい。舞台が戦場を離れた後も変わらず息苦しさがすごい。
舞台がWW1という事もあって、ジョージ・マクレディ演じるミロー大将のような害悪根性論者もまだまだい
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

5.0

オールタイムベストの4位。
期待値を抱き過ぎると映画の満足度は下がることがほとんどだが、この映画は裏切らなかった。
1時間半ほどのランタイムで、なぜここまで12人の心境を上手く描けるのか、ただただ圧倒
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ハッド(1962年製作の映画)

5.0

オールタイムベストの3位。
所謂「現代西部劇」
同一ジャンルに「日本人の勲章」だったり「拳銃の罠」だったりがあり、全体的に一捻りある作品が多い印象を受ける。
ポール・ニューマンはどこをどう切り取っても
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父の祈りを(1993年製作の映画)

5.0

オールタイムベストの2位。
大した期待もせずに1000円ちょっとのDVDの中から無作為に選んだ作品を、まさかここまで好きになるとは予想外だった。
ダニエル・デイ=ルイスの演技についてはもはや何も言うま
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幽霊と未亡人(1947年製作の映画)

5.0

およそ10~11年前に観てオールタイムベストに不動の王者として君臨し続けている映画。
当時はクラシック映画のDVDをまるで潮干狩りのように漁りまくって、それを唯一の趣味にしていた時期なので、今より体力
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道中の点検(1971年製作の映画)

3.6

いつ観たかは忘れたが、多分去年ぐらいだったか。
アレクセイ・ゲルマン監督作品はそのほとんどが肌に合わずに途中で眠気に敗けて観るのをやめたが、この映画はすごく観やすい。
展開も素早く、それでいて人間ドラ
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友達の家(2013年製作の映画)

2.8

ベタ中のベタ。何も足さない何も引かないタイプのホラー。
分かっていてもこの緩急の付け方は怖い。
結構前の短編映画だけど、「ドロステのはてで僕ら」(時世が時世なので未見)の人が撮ったのね。

ザ・ゲスト(2015年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

嵐のように訪れて、嵐のように去る、なかなかに不条理な映画。
或いはこれは押し寄せてきた現実なのか、酒を捨てるシーンは何かの暗示か。
オーストラリア製作で舞台は東欧ということを知らないまま観たので、言葉
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エサ(2015年製作の映画)

3.9

ランタイム僅か4分、然し結末を目の当たりにした瞬間、「うわあ」と思わず声が出た。
この突き放し方は残酷が過ぎる。

暴行(1963年製作の映画)

2.7

羅生門は履修済みの状態で鑑賞。
翻案の精度はかなり高く感じるが、全体的に可も不可もなく、
例のシーンは本家以上にグダグダで、シリアスな笑いと言っていい演出だった。

異教徒の旗印(1954年製作の映画)

2.6

残念ながらダグラス・サークの監督作の中では下位に位置する作品だと思う。
時代考証の浅さに関しては仕方ないだろうが、メロドラマ風に仕上げて、実質的な主役のアッティラを前面に推し出さないのはいかがなものか
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スパ/ザ・スパ(2015年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

ちょっと奇をてらって観過ぎてしまった。「もう一捻り」を求めすぎるのは平成・令和人の性か。
傷心の老人が親切なデブ三人とスパに浸かってテレビ観る、それだけなんだけどいい短編だぁねえ。
これ以上は諄くなり
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スティーブの朝(2015年製作の映画)

3.0

朝が弱い人間は絶対に一度はこんな妄想をするけど、こうなったらなったでディストピアでしかないよ。
短編映画としてみてもすごく短くて、アニメと組みわせたような演出もグロテスクな寓話のようで破壊力が高い。

ゴーストのおいしいレシピ(2009年製作の映画)

3.7

幽霊のおばあちゃん結構自由に動き回ったり物に干渉したり、古き良き幽霊モノっていうガバガバさが実にいい。
私の大好きな「幽霊と未亡人」や「陽気な幽霊」、「幽霊は臆病者」って言ったクラシックにも似た風情も
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ビックフォード公園で会いましょう(2017年製作の映画)

3.0

当サイトのレビューからBrillia SHORTSHORTS THEATER ONLINEなるオンデマンドサイトの存在を知って、さっそく登録し、鑑賞。
さくっと観やすい10分ほどのランタイム。
意地と
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グランド・ジャーニー(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

当サイトのオンライン試写会にて鑑賞。
実際に鳥と飛んで撮影をし、実話ベースの話であることしか情報は入れていない。
原題は「Donne-moi des ailes」(翼を与える?的な意味らしい。渡り鳥の
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ルーザーとしての私の最後の年(2018年製作の映画)

3.0

EUフィルムデーズ2020にてオンライン鑑賞。
本当に青山シアターが閉まる直前に観た作品。
字幕が修正されたという触れ込みだけあって、未だ結構な粗さが残る出来だが、この作品と監督が言いたいこと自体は分
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ナイト・オブ・ザ・スラッシャー(2015年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

OSOREZONEで鑑賞。
縛りプレイ通りに動く仮面の殺人鬼(ビジュアルが廉価版のマイケル・マイヤーズみたいで草)を、ホラー映画で真っ先に殺られる(具体的に言うとエロいこと)キャラ通りに動くことでおび
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リトル・マン(2015年製作の映画)

4.1

EUフィルムデーズ2020にてオンライン鑑賞。
旧作の中では最も自分の心に突き刺さった映画だった。
自分は一人でいる事に慣れすぎたせいで、主人公のように「気付き」に至れるかどうか、これから先そのような
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ヴァトレニ -クロアチアの炎-(2018年製作の映画)

4.0

EUフィルムデーズ2020にてオンライン鑑賞。
次の日に「ビッグ・リトル・ファーム」を観るつもりで、ドキュメンタリーの胃にするために観た作品だったが、これは意外な拾い物。
旧ユーゴ情勢はクストリッツァ
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ビッレ(2018年製作の映画)

3.3

EUフィルムデーズ2020にてオンライン鑑賞。
ほぼ日本未紹介と言ってよいラトビアの作家であるビズマ・ベルシェヴィツァの自伝が原作の映画のようで、国によってはNetflixで観られるようだが、なかなか
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スマグリング・ヘンドリックス(2018年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

EUフィルムデーズ2020にてオンライン鑑賞。
数分、数メートルはぐれた飼い犬を、国が全力で連れて帰れなくする。
相当にバカバカしいようで、当事者にとっては理不尽で笑えないお話。
あっちの方の政治情勢
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メルテム 夏の嵐(2019年製作の映画)

3.3

EUフィルムデーズ2020にてオンライン鑑賞。
主要なキャラクターの多くが若者で、ノリ自体も軽いが、ずっと昔からある移民問題に結構重ためな刃を突き付ける映画。
レスボス島の景色がきれいで、飯が美味そう
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カレーライス Curry and Rice(2018年製作の映画)

2.6

青山シアターでの初鑑賞。
これは……うん、よく分からないとしか言いようがない。
言いたいことはなんとなく分かるようで分からない。単純に集中力不足が原因だろう。と言うか楽しんで観るような映画でないことも
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ブレスラウの凶禍(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

結構序盤はグロい。流血系・痛い系のグロなので自分は大丈夫だった(CGが若干しょぼくなる中盤部分からは特に大丈夫)
だが中身は結構普通の復讐劇で、犯人も中盤時点で判明するため、謎解き要素はちょっと弱い。
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土と血(2020年製作の映画)

3.5

全体的に色彩が少なく、セリフも徹底して削られてるが、静謐とは程遠いハードなアクションで、非常にタイトなランタイムで一気に駆け抜けるノワール要素もちょっとある暗めのアクション。
巻き込まれ系というだけで
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