ミシンそば

ドランク・モンキー/酔拳のミシンそばのレビュー・感想・評価

ドランク・モンキー/酔拳(1978年製作の映画)
4.0
80年代の、ひどく淡白で口がパッサパサになるようなジャッキー映画に比べると、本当にビビるほど面白い。
若いジャッキーの身体能力が全盛期で、死亡説も流れるレベルの大怪我を経ていない(多分経てないだろう…)状態だからこそ出来るアクション

最初から多少は強いが、実家の修行はサボり気味で才能に胡坐を掻いているジャッキー演じる黄飛鴻。
自分より強い者に絡んじまって何度もボッコボコにされ、親にも愛想を尽かされて蘇化子のもとに送られる、シンプルで後発作品のような煩雑さがない、よくブラッシュアップされたカンフーコメディ映画としてクオリティが非常に高い作品だと思う。

まず修行の「強くなって当然」感が凄まじい内容からして非常に痛快でずっと観ていられる。
クルミ割り、腹筋+水汲み、手首鍛錬など、ジャッキー自身も作中でやってられるかって何度もなるような基礎の反復。
そこから後半にその基礎反復が繋がり、活き、強さの説得力を増す。
後発作を観てれば観てるほど、そこの衝撃度は強くなる。
話の流れは凄いなんてことはないしラストバトルは若干長すぎる。
鉄心はジャッキー映画の敵キャラの中でも恐らく上から数えた方が早いレベルで強いキャラだろうに、これに関しては魅せ方がよくなかったと思う。
だが、修行映画、およびコメディとして純粋に面白かった。