ミシンそば

ブキャナン・ライズ・アローンのミシンそばのレビュー・感想・評価

3.5
かなりランタイムは短いながら、色々なことが立て続けに起きる騒がしい、娯楽色の強い西部劇。
バッド・ベティカーはやっぱこの手のジャンルの名手だな。

アグリー一家(ひでえ名前…)が牛耳るアグリータウンを舞台に、殺人事件に帰郷の徒にある傭兵が巻き込まれる。
被害者はアグリー一家の息子で、加害者の妹を陵辱したかどで復讐された、被害者ロイに非があるかたち。
そこから下手人フアンと、その場のノリに近い形で自分も逮捕された傭兵ブキャナンが、置かれる立場が変わり続ける様を主軸に話が展開して行く。

悪役(保安官ルーや判事でロイの父サイモン)がとにかくクソヤロウなろくでなし(この時代の西部劇でここまで腹芸を駆使するやつらも珍しい)。
アグリー一家側(悪役とはこの場では言い切らない)にも魅力的なキャラは多くて終わる三分前まで息もつかせない。

だが正直、隠れ家に縛った追っ手の馬逃がしとかないのは明らかに悪手で、そこはツッコミどころしかない(まあそこだけではないくらいには、ツッコミどころの多い映画だったが、西部劇はこういうのでいいんだよ)。