Tullyさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Tully

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エイプリルフールズ(2015年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

それぞれのたくさんの小さな嘘が、やがて一つに繋がって胸が熱くなるラストへと収束する。最初は、散らかったエピソードがバラバラの場面で語られて、その散漫さにちょっと飽きてしまいそうになったが、それらの散ら>>続きを読む

ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)

4.2

ザックリ言ってしまえば、「お金か愛か」 ということなのかもしれない。心底嫌なわけじゃないけど、心底楽しいわけでもなく、でも生活は保証される人。不安定な道のりでも、心から楽しいと思える人。不安定な道のり>>続きを読む

デッドマン(1995年製作の映画)

3.9

美しい映像、淡々と起こる事象。それは、死者が生きるという事を見つめる作業そのものだったと思います。すべての醜い生の営み、それすらも淡々と流れていき、それでいて美しい。そして死者は最後に、生きる事による>>続きを読む

ショコラ(2000年製作の映画)

5.0

新しい街。季節の風と共に、そこにはそこの決まりがある。「宗教を称え断食の時期にチョコレートの店ができたら?」 町で一番偉い伯爵は、当然その主を敵視し始める。誰もが行く決まりのある教会に彼女らは行かない>>続きを読む

あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

4.0

オープニングがいい。かわいい音楽に鉛筆の走る音。子供たちの遊ぶ声をバックにタイトルと出演者の紹介。「キャメロン・クロウ」 の映画の音楽といえば 「ナンシー・ウィルソン」 。さすが夫婦、息が合ってます。>>続きを読む

名探偵コナン 紺青の拳(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

今回はシンガポール舞台で、いつものコナンとは少し毛色は違うなあとは感じつつも、原作ではなかなか見ることができない園子と京極の関係性がこれでもかと丁寧に映像化されていて終始キュンキュンしっぱなしでした。>>続きを読む

ある日どこかで(1980年製作の映画)

4.5

肖像画に描かれた昔の美女に恋をしてしまった男性が、時を越えて女性に会いに行くという物語。「美しい映像」 「美しい女性」 「美しい男性
」 とにかく綺麗な映画。物語は現実のような幻のような、甘いんだけど
>>続きを読む

卒業(1967年製作の映画)

5.0

主人公のベンジャミンはダメ野郎以外の何者でもないし好感は当然持てません。しかしながらベンジャミンを演じたダスティンホフマンは素晴らしいとしか言いようがない。初めての情事の際のホテルでの挙動不審な言動や>>続きを読む

ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

19歳の少年と79歳の老女の恋愛は成立するのか?私は女性であるので19歳の少女と79歳の老人の恋愛が成立するか?と尋ねられると、成立すると答えるであろうと思う。恋愛は錯覚の上に成り立っており、生きてい>>続きを読む

名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)(2014年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

今回の異次元の狙撃手は、その憂鬱加減を吹き飛ばす、ハードでも見せ、ソフトでも見せてくれるコナンファンも、そして見る観客も楽しめる傑作に仕上げてきた。まず、博士のなぞなぞのシーンがボリュームアップしてい>>続きを読む

パラノーマル・アクティビティ(2007年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「恐怖を感じる」 とは何か。「低予算」 というキーワードはあくまでも結果論として 「恐怖のありかた」 を追求してアイデアを練り上げて作り上げられたものだと感じることができました。私たちの目に見えないも>>続きを読む

トレインスポッティング(1996年製作の映画)

4.0

はっきり言うと、こういう映画受け付けない人は多いと思います。なんたってジャンキーな話だし、出てくる若者は、すでに無気力さえ通り越してるし、話の内容だけ見ると、救いようのない話ばかりですから。でもなぜか>>続きを読む

震える舌(1980年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

意外と知られていない破傷風。脊椎を折って死に至る事。舌を噛み切ってしまう事も有るほどの猛烈な全身痙攣。こんな病に我が子が感染したら親はどうなるのか。かなりディープな作品ですが、一見の価値は有ると思いま>>続きを読む

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「イーストウッド卿」 の振り幅の広さに感服するが、演出はいつも通りの淡々姿勢でラストまでを貫く。原作は 「C・カイル氏」 の 「自叙伝」 で、彼はシールズ所属の狙撃手でイラク戦争に4回派遣された伝説の>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞後、色々な気持ちが込み上げて来ました。子を想う親の心情が、よく伝わりました。現代においては子を手に掛ける親と云う凄惨なニュースが多々あります。私達は本来、ひろしやみさえのような親にならなくてはなら>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

本作ではゲストキャラの宇宙人シリリが完全に主人公であり、野原一家はシリリの引き立て役に徹している。苦悩する真面目なキャラクターであるシリリが主人公なので、映画全体も心理描写を重視した真面目でシリアスな>>続きを読む

リンカーン弁護士(2011年製作の映画)

4.0

アウトローな弁護士を主人公としたサスペンス。と言っても法廷シーンの比重はさほど重くなく、場外のやり取りや駆け引きがメイン。とにかくテンポがよく、ストーリーが動き続けるので観ていて飽きない。あらすじは作>>続きを読む

ザ・ファーム/法律事務所(1993年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

主人公が弁護士でありながら法廷は一切出ず、アクション少しありのサスペンス映画である。優秀な弁護士が入社した弁護士事務所は、マフィアとの繋がりがあった。そこにFBIからの接触があり、スパイとして働き事務>>続きを読む

真夏の方程式(2013年製作の映画)

5.0

少年と学者の夏休みの出来事。「理科は嫌いで役立つことはないのに勉強しなくてはいけないの?」 という、少年の言葉に湯川先生が上手くその答えを導きだす。あのバックトゥザフューチャーのマーティとドクの関係の>>続きを読む

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

4.0

あの日、あの時こうしておけばという後悔の思いが幾重にも重なっていく。それぞれの人にそれぞれの思いがあって、少しずつ違う無力感や後悔を抱えている。それがほんの少しのきっかけで、調和を取ろうと努めていた天>>続きを読む

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語(2004年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

原作への敬意を感じられる映画そしてスタッフとキャストのこの映画への愛が伝わってくる映画だ。まずこの映画の子供たちはハリウッドの有名子役ではないが3人とも登場人物そのもので映画にのめりこませてくれた。脇>>続きを読む

エンディングノート(2011年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

非常に考えさせられる作品。本編中、監督(娘さん)がずっとナレーションを担当。しかし、それは父親の気持ち・意見を代弁しているだけ。実際に父親がそう思っていたかどうかは定かではないし、こう思っていただろう>>続きを読む

ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前作 「アフターライフ」がオリジナルと原題をつなぐ物語として最高に機能したのに対し、「フローズンサマー」 はオリジナルの正統続編として、テイストを受け継ぎつつ、現代らしさをプラスして作られた 「The>>続きを読む

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

今回は「シンデレラ編」ということだろうか?なかなかに意欲的な布陣で。世界的な寓話を元に、とても可愛いらしい主人公が、聡明な推理で事件を解決していく。Netflixにはうってつけのような構成だ。今や立派>>続きを読む

バタリアン(1985年製作の映画)

3.9

この映画のゾンビは走る走る。なんと言ったらいいかとにかくゾンビが元気。それでいて頭は良いし、喋れるしほぼ人間に近いゾンビがこの映画の柱ともいうべき存在。そんなゾンビが補食するのは人間のお肉ではなく人間>>続きを読む

スパイダーウィックの謎(2008年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

人間が踏み込んではいけない領域に土足で踏み込んでしまったが故に起こる、人と妖精との戦。自然を求めながら反自然を持ち込み、自然の精気を減退させる人間の行動、それが物語の底辺にあるのではないだろうか。80>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

インドは実は映画大国で、製作本数でいえばハリウッドを上回っているそうです。そしてハリウッドと違い、よその国のスポンサーに気を使うことがないみたいなので、忖度なしの面白い映画が作れます。この映画は3時間>>続きを読む

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)

3.0

起承転結の結がない。取り壊し間際の寂れた団地が、スコールが起きて海に漂う。何の前触れもなく団地という名の船で漂流する。出だしは良い。面白いが、なんだか似たようなファンタジーをどこかで見たような覚えがあ>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

両親が離婚し、母親とエジンバラに住む 「ソフィー」 。11歳になった夏休み、離れて暮らす父とトルコに在るリゾートで数日のバカンスを過ごす。日頃、連絡は取り合っているものの、一緒に過ごすのは久方振り。楽>>続きを読む

誰も知らない(2004年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

構想自体が優れていることは言うまでもない。2時間半にも及ぶ作品なのに、全く飽きることがなかった。映像に関しても様々な工夫がみられた。零れたマニキュアの染みや、茂がベランダに放り投げた土団子、赤いおもち>>続きを読む