Tully

エンディングノートのTullyのネタバレレビュー・内容・結末

エンディングノート(2011年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

非常に考えさせられる作品。本編中、監督(娘さん)がずっとナレーションを担当。しかし、それは父親の気持ち・意見を代弁しているだけ。実際に父親がそう思っていたかどうかは定かではないし、こう思っていただろうという想像の元、言葉にしている部分が結構あるのでなんとなくかけ離れてしまっている感じがあり、そこまでする必要があるのかちょっと疑問に思いました。できれば、娘から見た父親も語ってほしかった。観ていると、監督自身、父親のことをとても好きであることがよくわかります。ただ、カメラの前の姿が本当の姿だったのだろうか。本当は色々と甘えたかったり、弱い部分も見せていたのではないでしょうか。最初から最後まで、あまりにも強い父親像過ぎて、色々と勘ぐってしまうところもあります。またこれはかなり現実的な話になりますが、こういう形でエンディングを迎えられる人がどれだけいるのか。周りには、特にお金の面でかなり苦労されている人が沢山います。そう考えると、なんだか別次元の話のような気もしてきてなりません。この作品は、父親の現役時代(定年間際)から撮影していたもの。病気によってエンディングを迎えることは当然想定していなかったはず。監督はどういうエンディングを望んでいたのだろうか。またその場合、こうやって世の中に出てくることがあったのだろうか。どういった形でもいいので、監督の意見を伺いたい。あと、ハナレグミのエンディング曲は狙いすぎだと思います。この辺は、日本映画の悪いパターンの典型かな。
Tully

Tully