もう、最高過ぎて震えた。
一作目は、あの『DUNE』をこの時代にどうまた映画化するのか?という点に期待と不安が入り交じっていたけれど、世界観と物語の下地を丁寧に整えた後の、この二作目の爆発。
とんでもない傑作。
やってくれました、 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。
映像も音も物語もキャストも、全てが極地。
文句のつけようが無いレベル感。
映画作品×IMAXという今の時代にできるジャンルの枠の中で、これ以上の作品は未だかつて無い、もっと言えばこれ以上有り得ないんじゃないかと思う程の完成度。
この作品を、リアルタイムに観れて本当に良かった。映画史に残る瞬間を体験できたと思える。
監督らしい、全てに凛とした空気感と美意識を孕む映像美は、一作目から徹底されていたものの、新たな境地に到達。砂漠も構造物も登場人物の衣装や描写も、それを引き立てる光も影も、目に映る全てが美しく、見目麗しく、愛おしい。
映像に重なるハンス・ジマーの音響も、分かりやすい旋律は抑えながらも映像を引き立てる音として、これ以上無いくらいの存在感。
全編、目が喜んでいる!耳が喜んでいる!
原作が持っていた単なる英雄譚では無い物語を、チャニの視点から描くことでより際立たせる構成も秀逸だったし、ラストの展開も、今だからこそ、そうあるべきという改変も加えられていて、非の打ち所が無かった。
まぁ、ヴィルヌーヴ監督らしい「母×子」の関係性が重たく根底に横たわっている辺り、「またそのテーマかー」という思いも無くは無かったのだけれど、今作においてはそこが物語を動かす主軸になっていることもあり、違和感は皆無。
長尺ではあるものの、むしろこの世界にずっと浸っていたいと思わせる程の没入感と満足感に、途中から「自分、今すんげぇモン観てる」「あぁ映画が好きで良かった…」という変なメタ視点まで加わり、多幸感が半端なかった。
キャスト陣について言えば、ティモシー・シャラメとゼンデイヤの主役二人は言わずもがな、脇を固めるレベッカ・ファーガソンにハビエル・バルデム、誰一人として違和感を覚えさせない配役の妙。レア・セドゥにアニャ・テイラー=ジョイまで登場し、あらゆる可能性を模索してもこの配役しか無かっただろうという布陣に、物語の展開と共にちょっと笑えてきてしまう程の完璧さ。
あらゆるSF映画が影響を受けてきたであろう『DUNE』という作品が、新たなテクノロジーと才能と価値観を得て、ようやく本当の意味で映像化に成功した、更には今の時代に響く物語として生まれ変わった、という感無量の想い。
166分、本当に幸せでした。
このクオリティが維持できるのならば、一応次で完結を予定している三作目は勿論、四作目でも五作目でも、『DUNE』サーガを続けて欲しいくらいの気持ち。