Miller

RUN/ランのMillerのネタバレレビュー・内容・結末

RUN/ラン(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

様々な病気を患い、車椅子生活を送るクロエと、娘のクロエを献身的に看病する母親のダイアン。
クロエは毎日決められた薬を飲み、ダイアンはクロエのために料理やリハビリのためのストレッチ、ホームスクールの先生役もこなす。
二人が住む場所は郊外のため、訪ねてくるのも配達業者くらいで、クロエはダイアンと二人きりの生活を送っている。
大学入試の結果を心待ちにするクロエは、ダイアンが持って帰ってきた袋にダイアンの名前が記載された薬ケースを見かける。
その夜、クロエはダイアンの名前の記載されたケースに入っていた薬を渡され、自分が飲んでいる薬に関して疑念を持つようになる。


ダイアンはクロエに思い込ませる。
私がいなければ、何もできない。
ダイアンが作り出した共依存の関係は、クロエの成長とともに崩れ始める。

クロエはダイアンから徹底的に逃げようとするが、車椅子、ほとんど人の来ない郊外、通信機器を持たないことなどが邪魔をする。
歪んだ愛情と閉鎖空間から脱出することが描かれるが、普遍的な親の愛情と子供の自立が物語のキーになっているため、歪みがより気色悪い。


思い込まされていた事柄は、全て嘘で、自分自身で出来ることがある。
クロエがそう気が付き、それによって事態が変わる。

相手を攻撃するのではなく、とにかく逃げ出すことを続ける映画だが、物語の最後では相手が逃げ出せないようにすることで映画は終わる。
物語の流れからは想像できないエンディングに、不思議な感想を持つ。
この二人、他のどんな親子より似た者同士だよ!!
Miller

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