Miller

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇りのMillerのレビュー・感想・評価

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ドラゴン、魔法、ファンタジー、冒険、これらの世界観が前面に出されていると、観るのに気乗りせず、食指が動かない。(ゲームオブスローンズやロードオブザリング等大好きですが)
予告を観て、これは観に行かなくてよし。と思ったものの、評判の良さから観に行くと、
思っていた以上に大好物の作品でした。


他の仲間とともに盗みに入った先で捕まり、投獄された盗賊のエドガンとホルガ。
妻を亡くし、娘の待つエドガンは、ホルガとともに脱獄するが、娘はかつての仲間フォージと暮らしており、フォージは邪悪な魔法使いソフィーナと共にネヴァーウィンターの土地の領主となっていた。
娘を取り戻すため、エドガンとホルガは仲間を探し始める。

かつての仲間で未熟な魔法使いのサイモン、人間嫌いで魔獣に変身できる僧侶ドリック、戦闘能力も良識もあるが生真面目過ぎる聖騎士ゼンク。
エドガンとホルガが仲間と出会い、ラスボスのフォージとソフィーナを倒すための冒険の物語で、王道のファンタジーでありRPGゲームの王道の物語だ。


エドガンとホルガの脱獄前の恩赦のやり取り、墓地での5つの質問のやり取りやゼンクが進んでいく様を実況するところ等、面白い場面に溢れている。
あくまでも物語は王道でありながら、その王道の展開やRPGの定番の設定を敢えて描き、その可笑しさが指し示される。
王道ファンタジーであるが、今どきの肩肘張らない緩いメタ的なコメディ要素が、作品を見やすく、観客寄りの近しい存在にしている。


軽薄なリーダー(吟遊詩人?)エドガンのクリス・パインと屈強な戦士ホルガのミシェルロドリゲス、胡散臭い詐欺師フォージのヒュー・グラントはもちろん、仲間の面々や魔女ソフィーナもぴったりな配役になっており、キャラクターの魅力が際立つ。
落ち込むホルガを音楽を奏でて励ますうちにホルガも歌いだしてしまうような仲間の関係性も魅力的で、エドガンが若い二人のサイモンとドリックを導くのも素敵な仲間だと感じさせる。

サプライズゲストのおまけまであって、一作にエンターテイメント作品の魅力が詰め込まれたような作品だった。

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王道ファンタジーの作品で、エンディング曲がTame Impala?????ってなったが、作品を見通してエンディング曲を聞くと緩く熱い感じが作品にぴったりな感じを受けた。
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