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木靴の樹
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目次

木靴の樹の作品紹介

木靴の樹のあらすじ

19世紀末の北イタリア、ベルガモ。 貧しいバティスティ一家は、小作人として農場に住み込んでいた。 同じ村に暮らすのは、6人の子どもと父を養うルンク未亡人、 美しい娘マッダレーナのいるブレナ一家と彼女を愛するステファノ、 けちで知られるフィナール一家であった。 4家族は皆、そこに住む土地、住居、家畜に農具等、すべての領主から借りて生計を立てていた。 ある日、バティスティ家のミネク少年の大事な木靴が割れてしまう。 村から遠く離れた学校に通う息子の為に、父親は河沿いのポプラの樹を伐り、 新しい木靴を作ろうとする。だが、その樹木もまた領主のものであった。 貧しい暮らしながら、気高く、美しく人生を生きる農民たちの姿を描いた感動の名作。 監督・脚本・撮影・編集は、イタリアの巨匠エルマンノ・オルミ。 出演者は全て素人の農民で、オール・ロケーション、自然光での撮影による徹底したリアリズムが、 全編に溢れる詩情の映像美を生みだしている。

木靴の樹の監督

木靴の樹の出演者

原題
L' ALBERO DEGLI ZOCCOLI
製作年
1978年
製作国
イタリア
上映時間
187分
ジャンル
ドラマ

『木靴の樹』に投稿された感想・評価

kojikoji

kojikojiの感想・評価

4.6
 ずっと奥の方に眠っていたものを揺り起こされるような映画だった。

 舞台は19世紀末の北イタリア、ベルガモ。村の農場にすみこむ四戸の家族の物語。ロベルト・ロッセリーニ監督のネオ・レアリズモを継承しながら詩情溢れる映像で、家族の一年を綴る。まさに名作だ。

1978年 イタリア🇮🇹映画
監督・脚本:エルマンノ・オルミ
音楽:J・S・バッハ
撮影:エルマンノ・オルミ
上映時間 186分

四戸の家族は、
・小作人として農場に暮らすバティスティ一家
・6人の子を養うルンク未亡人
・美しい娘マッダレーナのいるブルナ一家
・けちで知られるフィナール一家

この家族の1年間を数々のエピソードで淡々と描く。
 控えめな若いカップルの恋愛と結婚、地主の所有する木🌲を切って息子が学校まで歩くのに履く靴を作ってやる父親、鶏の糞を使ってトマトに肥料を与えて早く実らせる老人など。
 その他、子供達の鬼ごっこ、アヒルを料理するため首を落とすシーン、長く飼ってまるまると太った豚🐖を屠殺するシーンなど当時の農家の暮らしが現実のように容赦なく描かれている。それだけに、その間に写される自然が美しく輝く。
一見ドキュメンタリーのような演出。それもそのはず、演じるのは全て農民の素人。
しかし、心配はいらない、全く違和感がないばかりか、それが逆に自然で飾り気がなくすごく雰囲気を出している。子供達の遊び方、仕事の手伝い方、食事の仕方、作られたものとは思えないように自然だ。
 
全編を通して、「人の営み」とはこういうことだと言われている気がする。貧しい人が突然家に祈りに来ると食を与えるエピソードは、一瞬なんのことかわからないが、敬虔な農家はそうした人達に対してこんな形で施しをしていたのがわかる。それが逆に自然な村の暮らしを感じさせる。
因みにこの老人を演じる農夫の、少しふざけたような芝居がいい。

 この映画で、物語や映像と同じくらい強く印象を残すのが、バッハの楽曲。
「無伴奏チェロ組曲第三番」や、あの有名な「小フーガ ト短調」などが流れる。

評価4.2今年のベストテン入りの傑作。
2023年 390本目
TS

TSの感想・評価

3.0
【静かなる農民の生活の記録】70点
ーーーーーーーーーーーー
監督:エルマンノ・オルミ
製作国:イタリア
ジャンル:ドラマ
収録時間:187分
ーーーーーーーーーーーー
長い。長すぎる。『タイタニック』並の長さで、農民の生活を淡々と見せられます。パルムドールも受賞しているので、折り紙付きの名作でして、最近でもリバイバル上映していたものですが、はっきり言いますが「面白さ」は皆無。面白さを求めて見ると完全にやられます。なので、今作には面白さを求めてはいけず、19世紀末の農民の生活を「眺める」ように見るのが一番だと思います。

イタリアのネオレアリズモの作品であります。ネオレアリズモに関しては『無防備都市』の記事等で簡単に言及したので割愛しますが、今作も当時の様子をしっかりと描いた作品のようです。監督はよりリアルさを出すために、キャストに俳優をまだ用いずに、素人の人達を用いたそうな。その方がよりリアルさが伝わるからです。
終始暗い映画で、淡々としてます。正直「眺める」映画なので、何か作業をしながら見ても大丈夫なものと思われます。よし見るぞ!と気合を入れてみる感じの映画てない気がします。一応一部と二部に分かれてますが、タイトルにもなっている木靴が登場するのは二部からであり、一部は完全に作品のイメージをつかむだけのものとなっています。

非常に長いので眠たいときに見るのはご法度です。大きな事件もほぼなく進んでいくので、最後はどうなるのか?と気になってしまいます。と、思っていたら急展開で訪れるラスト。あまりにも儚い。でも、農民の生活って、貧しいが楽しそうなものとも捉えれました。貧しくても家族と元気で過ごせるならば幸福なのだ。というメッセージが伝わってきました。

面白さでいうと0点に近いですが、それ以上のものが今作にあります。19世紀末の農民の生活を「動く絵画」のように眺めた感覚でした。映画鑑賞というより絵画鑑賞という方がしっくりくるかもしれません。リバイバル上映は終了してますので、一部の店舗にひっそりと置かれています。興味のある方は是非。
ちろる

ちろるの感想・評価

4.0
パイプオルガンで奏でられるバッハの調べとともに流れる映像はイタリアの農村社会のささやかな暮らしを描く、ドキュメンタリータッチの作品。
ミレーの油彩画のように素朴で温かみのある自然光の光の中で貧しい家族たちが過ごす淡々とした流れは純粋そのもので、それを象徴する、幼い子供達の干し草と戯れる姿は本当に愛らしくてキラキラと輝いていた。
大人たちは月を幼い子どもたちに告げる。
「月がかさをかぶると大雪になる
春に雪がとける
溶けたらその水で作物が育つ。」
季節の流れを読みながら作物や動物たちを育み、信仰と自然から与えられる知恵を重ねながら生活をより良くして、貧しいながらも祈り、歌い、互いを思い合える絆深い家族のやりとりに優しい視点がうかがえる前半の映像から、一挙に突き落とされるような救いのないラストシーンの対比は、「自転車泥棒」を観た時のような殺伐とした気持ちにさせられてしまった。

若き新婦のマダレーナが、新郎新婦が船に乗ってミラノに向かう時に見つめる景色は、うっとりとするほど美しくて、この作品の中での微かな希望のカタチのように見えて印象的だったし、引き取った孤児を抱く姿は聖母のように清らかなシーンたった。
しかし作品のパッケージてある幼いミネク役の少年がものすごく可愛いのに、台詞も登場シーンもかなり少なかったのでそこはちょっとだけ残念。

家族のために必死で働きながら、地主による搾取に為すすべもない父親悲しみの姿と、それを見つめるミネクのなんとも言えないラストの不穏な表情に一気に遣る瀬無い思いにさせられる非情なストーリー展開は、まさしくネオレアリズモの流れを汲む作品なのだろう。
ほぼ、エンタメ性ゼロの淡々とした映像が3時間以上あるので、観るのにかなりの忍耐も必要とされる作品ではあるけれど、登場人物全ての祈りのような一つ一つの生き方に心の琴線が触れられる、秀作ではあったと思う。

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