無表情な主人公を常に中心軸として撮ることで「物語の流れが飛ばしの連続でもわかりやすい+何をしでかすかわからない緊張感を持続できる」と一挙両得なのが凄い。走れるブレッソンと言えるレベルの達人技。
しか…
クライマックスで起きると思っていた事が割と前半で起こる。ダルデンヌ兄弟はそれが起きるかどうかよりも、一線を超えてしまった彼のその後をこそじっくり見つめて寄り添う。
頑なだった少年の心が解ける契機が…
社会的な弱者を描くダルデンヌ兄弟監督作品。今回は移民を背景にした「狂信」がテーマ。
ヨーロッパで社会的な弱者を題材とするのであれば、移民は避けて通れない。これはアキ・カウリスマキ監督もそうですよね…
このレビューはネタバレを含みます
ベルギーに暮らすムスリムの少年アメッド演じるイディル・ベン・アディ。13歳の彼は、ごく最近まではゲームに熱中する普通の少年だったが、兄とともに食料品店の二階にある小さなモスクに通ううち、イスラム原理…
>>続きを読むダルデンヌ兄弟の中で一番好きだった。
やっぱり宗教って怖いな。
あんな純粋な子供が…純粋だからこそかもしれないけど。
統一教会もそうだしオウム心理教もそうだけど誰かを神として崇めたり信じて疑わ…
新興宗教3世として、
近年、生を放棄したくなる程の大怪我を経験した身として、
本作にもたらされた心的影響はあまりにも甚大だった。
アメッドを人間的な人間へと帰せしめるものとして
プロットに配置さ…
なんという……これはおそらく、宗教的原理主義がどうというより、『金閣寺』もしくは『豊饒の海』的な、再帰的近代における自己アイデンティティ不全からくる若者の歪な発心と、それが招く根源的トラジコメディと…
>>続きを読む© Les Films Du Fleuve – Archipel 35 – France 2 Cinéma – Proximus – RTBF