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大奥のYNのレビュー・感想・評価

大奥(2010年製作の映画)
3.2
なんでだか忘れたけど再見。

これ、ある程度面白いんですよ。まあ原作の設定がとても面白いので、約束された面白さはある。

男女逆転の仕掛けと吉宗のキャラクターの強さが面白さの骨をしっかり作ってるし、脚本面も、原作の登場人物の心情表現がもともと巧みなので、邦画にありがちな説明過多は避けられている。と思う。

となるともったいなのは、ビジュアル全般なんですよね。
水野がニノか?というのもあるし、ジャニーズや当時の若手イケメン俳優の流行りの顔立ちは、よしながふみのタッチとはかけ離れており、実写なのに原作漫画よりも漫画的なタッチになってしまっている。
なにより「絢爛豪華」の履き違えが見られる衣装がもったいない。
「絢爛豪華」な大奥の中で水野の「江戸の粋」が目立つ、という設定ではあるが、この大奥の男たちの衣装はただ「やたらパステルカラーで色数が多い」だけ。
「絢爛豪華な美しさ」と「江戸っ子の粋の美しさ」という、質の異なる美しさの対比が見たいのに、「ごちゃごちゃしたなかに黒一色の奴がいて目立つ」になってしまっている。
もしこの美術・衣装の部分をしっかり演出出来てたらかなりクオリティが上がっていたのではと思う。もったいない。

まあわたしは推しの阿部サダヲがとてもよろしかったんで全然いいんですけどね。(杉下が阿部サダヲかよってのもわかるが)
この映画で扱ってるの、原作ではプロローグに当たる部分でここからどんどん面白くなるので、大河ドラマでやってほしい。
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