GOROTUKI

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのGOROTUKIのレビュー・感想・評価

3.8
映画タイトルに於いて、
看板に偽りあり作品がある。
僕が思う代表が
『死霊の盆踊り』だ^_^
本作
盆でもないのに
踊りをほぼ延々見せられるのだ!
因みに、
邦題をつけたのは江戸木純さん。
配給会社はギャガ。同社が最初に配給した映画で、劇場公開時、宣伝スタッフが死霊に仮装して本物の盆踊りを催した。wiki調べ
とあるので私自身怒ってはいない。^_^
そして本作品タイトル!
偽りなし!^_^

では実直な感想
こんな古典中の古典オバケ(ベッドシーツ被った)を
劇場で見るなんて思ってもいなかった。
しかもこの映画スタンダードサイズと言われるアスペクト比1:33:1であり、古典的サイレント映画時代の比率で撮られている。
しかも通常の長方形フレームではなく、画面の四隅が丸く湾曲し欠けた額縁型フレームになっており、古い写真やスライドプロジェクターを見ている演出がなされている。
なんだこの監督の変なこだわり演出は?
ロウリー監督曰く、
「フレームをプロセニアム(劇場で観客席からみて舞台を額縁のように区切る構造物をいう)のように見せたかったんだ。フレームの輪郭によって解釈されたイメージ、そういうのを目指した」そうである。
変な演出はまだまだある。
オバケ同士のテレパシーでの会話だ。
「ここで人を待ってる」
「誰を?」
「覚えてない」
オバケも健忘症なんだな^_^
そして、一番異様なシーンが
女優ルーニー・マーラが
4分間ただひたすらチョコレートパイを
食べるシーン。マーラは実はこの撮影で人生初めてのパイを食べたのだという。
撮影には、彼女のために、ビーガン用チョコレートプディングパイを用意されたが、
マーラ曰く
「砂糖もグルテンも含まれないビーガン用チョコレートパイ。それは酷い味だったわ!」
それを思って見たらまた面白い^_^

そんなこんなで
変な演出がキラリと光る!
デヴィッド・ロウリー監督の次回作は
ロバート・レッドフォード俳優引退作
『The Oid Man & the Gun』
そして、実写版『ピーター・パン』と
大作が待つ。

ゴーストお豆知識
映画冒頭「目覚めた時に、いつも扉が閉まる気配がする」というテロップは、ヴァージニア・ウルフ著、文庫で4ページの短編「憑かれた家」から抜粋。
監督曰く
ゴーストの視点や時間感覚を表現するにあたり著者に影響されたそうだ。
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