メモ魔

映画 聲の形のメモ魔のレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
3.9
[私は私が嫌いでも、そんな私はあなたが大好きです。]
自分自身のことを好きになれない2人が、互いを好きになることで支え合う。そんな話、、かな。

石田の自殺未遂から始まるこの話。
自分が死ぬ前ってのは身の回りの整理をするもんなんだろうか。
俺が学生の時不登校になった時は、[死にたい]までの思考に陥ることはなかった。だからこの感情に触れることができない。
いや違うか。これは助けてのサインなのかもしれない。
火曜日で終わっているカレンダー。過去の清算。そして自殺。どれも自殺までの過程を一つづつ踏んでいるように見えて、[誰か自分を見つけてくれ]って悲痛な叫びなのかもしれない。
自分はいない方がいい、いや、いてもいなくても変わらない。なら、、もう先なんていらない。
そうやって自殺への歩みを進めてしまった石田。

人生のタスクが自殺のみになった石田が、それでも立ち止まれたのは、人を傷付けた自分をそのままに死ぬ事ができなかったからだ。この時からすでに、石田は西宮さんとの関係を糧に生きてたんだな。

過去編は見ていてかなりメンタルきついものがある。
生活をする上で支障のある人と、そうでない人の関わり方は、世界中の大人がよってたかっても解決できない問題だ。点字ブロックに代表されるバリアフリーやパラリンピックは大人が出した一つの答えだ。
そんな難問を急に突きつけられる小学生。いじめまでの発展は見るまでもない。違いが認められない。互いに違いを理解しようと思えば思うほどに反発は大きいものになっていく。距離感を掴めない子供は反発のみを直に食らってしまう。だから次の段階。必要以上に距離を取る。反発も引かれ合いもしない距離。無視だ。
それでも西宮さんは輪に入ろうと距離を縮めた。だから必要以上の反発(いじめ)を受けちゃったんだろうな。
誰も悪くない。ただ距離の取り方を知らなかっただけなんだよな。

石田は西宮さんに近づこうと必死で、西宮さんも石田に近づこうと必死で、だから石田が1番反発を喰らう形になったってことだな。

黙ってても自分の世界は動かない。
自分から動くその一歩が、人生に大きな転換点を与える潤滑油になる。
石田は苦節あれど、自分から行動を起こすことに必死になっていた。閉じこまらず、自分ができることを必死になって探し続けた。

、、、
あだめだぁノイズが多すぎる。全然メモの手が進まない。
やっぱ寮良くないわ。いつ誰が入ってくるか分からんし、誰かの生活音がするだけで感情が一気に現実世界に戻されていく。
これじゃあ見れるもんも見れない。
練り込まれた映画ほど自分から中に入っていかないと感想も湧き出てこないものだ。表面的に見て面白い映画は求めてない。もっと人生を歩んでいく上でこの映画から学べることは?そんな教科書として俺は映画が見たいのに。せっかくの名作が台無し。
映画ん中で5.6回泣いてたけど結局どんな気持ちでいたのかすっかり忘れちゃったもん。こんな時間の無駄遣いある?

次からはiPadでヘッドホンだな。決まり。
んで気になったシーンがあったら映画止めてもいいからしっかりその時の気持ちをメモしよう。
貴重な感情は貴重故に鎮まるのも早い。
駄目なんだ。もっと新しい感情に出会うためにはもっと映画に入り込んで、作者が作品を通して伝えたかった真意を自分に取り込んでいかないといけない。

でもこの映画、これだけは言わせて。

もっと自分を好きになって。
自分は自分が嫌いなんて。そんな言葉で今までの自分を諦めないで。

人と対話をする時に1番需要なのは言語じゃない。
相手を知ろうとする心、それを自分に取り入れようとする努力。
この努力を相手に伝えることが、
[この人ともっと話してみたい]
までの第一歩なのだ。
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