GOROTUKI

サクラメント 死の楽園のGOROTUKIのレビュー・感想・評価

サクラメント 死の楽園(2013年製作の映画)
3.6
岡田尊司著
「マインドコントロール」によれば

マインドコントロールされやすい人は、
①優柔不断で自分でものを決められない、依存しやすい人
②人の言葉を信じやすい、オカルトを信じている人
③現在や過去に強いストレスを受け、心が弱っている人
④孤立していて、支えてくれる人がいない人
だそうだ

マインドコントロールの方法論は、
❶相手に与える情報を制限する、または大量に与える
❷相手の肉体と精神を疲れさせ、考える余力をうばう
❸救いや希望を約束してくれる、強い存在を相手に見せる
❹自分を認めてくれた存在を裏切れなくさせる
本作もジーン・ジョーンズ演じる
ファーザーが正にそんな人物でした!

では感想
監督はタイ・ウェス
2009年製作
『THE HOUSE OF THE DEVIL』(日本未)を完成させ、「この10年で最も素晴らしいホラー映画の1本だ」と評され
2011年製作
『インキーパーズ』を
イーライ・ロスが大絶賛!
そんなホラー階段を登り続ける人物。
そんな監督は、俳優もこなします。
アダム・ウィンガード監督作
『サプライズ』で、
すぐに死ぬ役を演じた人です^_^;
そんな監督、本作のQ&Aの中に
Q「本作のコンセプトとその背景に潜むストーリーを教えていただけますか?どのように今作のアイデアが生まれたのでしょうか?」
A「僕は常々ジョーンズタウンに着想を得たミニシリーズを作りたいと思っていたんだ。」

ジョーンズタウンとは…ここで
〜おっさんでもわかるカルト教団講座〜
KKKの団員だった父を持つ
ジム・ジョーンズは、
キリストとレーニンの生まれ変わりだと自称し、ピープルズ・テンプル(人民寺院)を設立。ジョーンズは魂の救済と核兵器による大量殺戮からの保護を掲げ、数千人もの信者を獲得し、1977年に信者達をサンフランシスコから南米のガイアナに移住させ、そこを地上の理想郷としてジョーンズタウンと名付けたのだ。
その後ジョーンズタウンで暴力事件が多発し、信者の家族らが不安をつのらせ、その要請を受け、1978年に下院議員のレオ・ライアンが脱会希望信者を解放させるためガイアナへ。もっとも公には、ジョーンズタウンにいるアメリカ市民が人権侵害を受けている疑いがあるので、これを調査するためとされていた。だが、ライアンは現地に入ったところ信者にマチェーテ(ダニー・トレホが持ってるヤツ)で襲われ、幸いかすり傷ですんだが、このままだと命の保証がないとみたライアンは、帰国希望の信者20人ほどを連れジャングルの一角につけた飛行機までたどりつき、乗り込もうとしたところ、ジョーンズの差し向けた狂信的な信者達に襲われ、同行していた記者3人と信者1人とともに殺された。
その夜、ジョーンズは信者たちに最後の時が来たと告げ、毒を飲めと命令し、青酸カリとトランキライザーを混ぜた液体がバスタブに用意され、信者たちは言われたとおり飲み、嫌がる者は無理やり飲まされ、あるいは銃で殺され、幼な子はスポイトで流し込まれた。
こうして信者たちは次々と倒れ、900人以上が死亡。ジョーンズ自身はこめかみに銃弾を受け死んでいたが、これが自殺なのか撃たれたのかはわかっていないが、女性信者のひとりが口に含んだ毒を吐き出し、すでに倒れていた監視役の銃を奪い教祖の頭を撃ったのだと言われている。この女性は事件の2ヶ月後に、3人の我が子の喉を切り裂き自殺した。1980年には、同じく生き残った信者、ジャンヌ・ミルは夫のアル、娘のリンダが、教団での体験談を人々に語り始めたが、その後間も無く3人ともカリフォルニア州バークレーの自宅で射殺体となって発見された。
ミルはジム・ジョーンズとCIAの繋がりを疑い、CIAがマインドコントロール実験として教団の活動を容認していたと考えていたようだが…「信じるか信じないかは、あなた次第です!」

ただ話はまだ終わらない!
デビッド・コレシュ、本名ヴァーノン・ハウエルはロックミュージシャンになるのが夢だったが、夢破れ、教祖ジム・ジョーンズの研究に没頭するようになり、1990年に自らブランチ・ダビディアンのリーダーになった。これは1935年に設立されたキリスト教の一派、安息日再降臨教団(ダビディアン・セブンスデー・アドベンチスト)から枝分かれしたグループで、ジョーンズ同様、コレシュもカルト教団の教祖という地位に酔いしれ、終末思想を説いて信者たちの絶対的忠誠を求め、信者の妻たちと性的な関係をもった。そして1993年、教団の重火器所持が疑われ、ATF捜査官4人が捜査にやって来た際、信者に命じてこの4人を射殺させ、そのまま信者たちと教団本部に立てこもり、この武装立てこもりは51日間続き、FBIと銃撃戦になり、コレシュは信者もろとも建物に火を放ち、焼け跡から、コレシュを含む75人の遺体が発見された。炎に巻かれた者や銃で自殺した者もいた。因みにこのブランチ・ダビディアン事件は、『アンノウン』のジャウム・コレット=セラ監督と、「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」のオスカー脚本家マーク・ボールで映画化が決定しているそうだ。

そんなこんなで
事実と本作を見比べるてわかった事、
「真実は映画より奇なり」でしたよヨ!
最後に監督Q&A
Q. 観客に『サクラメント 死の楽園』から何を受け取ってほしいですか?
A. カルトの思考方法をより理解してほしいね。血祭りを喜ぶ人たちが好んで観るコアなジャンル映画としてではなく、ワンランク上を極めたジャンル映画として楽しんでほしい。
GOROTUKIのアンサー
「楽しみましたよ^ ^」
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