KANA

太陽が知っているのKANAのレビュー・感想・評価

太陽が知っている(1968年製作の映画)
3.8

『ボルサリーノ』のジャック・ドレー監督
アラン・ドロン
ロミー・シュナイダー
モーリス・ロネ
そしてジェーン・バーキン。

これだけでもうワクワク!

南仏サントロペの別荘でバカンス中のジャンポール(ドロン)とマリアンヌ(シュナイダー)。
オープニングから2人はプールサイドでベッタリイチャイチャ。
そこへマリアンヌが招待した元彼のハリー(ロネ)とその娘ペネロープ(バーキン)が加わる。
するとマリアンヌは見せつけるようにハリーと戯れ、それを見たジャンポールはペネロープと…
そんな男女4人の嫉妬まみれのジリジリしたケミストリーを、ルグランの多彩な音楽とともに気怠いムードたっぷりに描く。

ロミーの演技、初めてちゃんと見た。
キリッとした表情の中に優しさと上品な色気を滲ませてて素敵。
私生活では1959年にアランと婚約、1964年に破局→自殺未遂。
低迷期を超え1966年以降美しさを増し、吹っ切れたように本作で再共演したそう。
それを踏まえると2人のこの演技もすごく意味深に見える。

モーリス・ロネはそう、『太陽がいっぱい』のフィリップ。
トム・リプリー vs フィリップ・グリンリーフのライバル対決、再び!
カタチだけだと思ったら、展開まで似ててビックリ!モーリスが不憫…。
アランはやっぱりこういう陰のある役が最高にハマるなぁ。
悩む表情や大人な仕草、本当にシビれる。

そして特筆すべきは21歳のジェーン・バーキンの存在そのもの。
1枚でさらりと着るカギ編みやギンガムチェックやブラックのワンピース、ホワイトビキニ、ビキニの上に羽織るオーバーサイズのシャツ、自前のかごバッグ…
等々、ジェーンのフォトジェニックなバカンススタイルを存分に堪能できる。
演技が上手いか下手かでいうと、おそらく後者w
全く覇気がなく表情が乏しすぎて何を考えてるのかわからない。
でもかまわない!
無垢な体型にナチュラルなストレートヘアやもの欲しそうな半開きのくちびる、憂いの眼差しなど、
中性的な少年っぽい雰囲気でありながら大のオトナを挑発・誘惑するコケティッシュな魔性は唯一無二。

サントロペの陽光とともに若きジェーンの姿をたっぷりと鮮やかにフィルムに焼き付けてくれたジャック・ドレーに感謝!


p.s. FIGARO japonの最新号はジェーン特集だったので飛びついた❤︎
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