ヒデ

ペパーミント・キャンディーのヒデのレビュー・感想・評価

3.7
「誰か一人道連れだ。俺の人生ぶち壊した一人をな!」

人生に絶望したある男の回想録。主人公の20年分の人生が6〜7個ほどのチャプターに分かれ、どんどん過去へと遡っていくメメントのような構成。平和なピクニックに始まり、死にかけの元カノとの再会、尋問を覚えた刑事時代、初恋、そして軍隊時代の光州事件にまで話は至る。時が戻っていく時の、電車が線路を逆行する映像が印象的。

暴力的で自暴自棄になっていた主人公も、かつては花を愛す平和な男であり、光州事件を機に心も身体も壊してしまったことがわかる。最後のピクニックでユン・スニムと話すシーンはどこか切ない。軍隊時代のトラウマさえなければな。


以下、セリフメモ。


「なけなしの金をはたいてこれ(銃)を買った。誰か一人殺そうと。独り死ぬのは悔しい」

「俺の人生をぶち壊した人間は多すぎて、一人選ぶのは無理だ」

「私はユン・スニム(元恋人)の夫です。実は彼女が、あなたに会いたいと」

「覚えてるかい?ペパーミント・キャンディー。軍隊にいたとき送ってくれただろ。手紙に一粒ずつ入れて。大事に取っておいたんだ」

(散々拷問して居場所を吐かせた後で)「最後に一つだけ聞きたい。人生は美しいと?お前の日記にそう書いてあった」

「実は群山に初恋の女性がいてね。会えなくてもいいんだ。ただ、来てみたかった」
「お客さん、今夜は私がその女性になってあげる」

(彼女の目の前で女性店員にセクハラしたあとで)「優しい手だろ?」

「このカメラ、コツコツお金を貯めて買ったの。写真、夢だったでしょ?」

(SEXの前に)「お祈りをしなきゃ」

「靴に…水がいっぱいで…走れない…」
「血じゃないか。弾に当たったのか!?」

「私は高校生です。線路の向こうに家が…。お願い、見逃して…」

(ピクニックで出会ったユン・スニムに対し)「いつか写真を。カメラ担いで、名もない花を撮り歩きたい」
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