ヒデ

落下の解剖学のヒデのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「夫は自殺だと思うわ」
「それは誰も信じない。(弁護人である)僕もだ」

夫の不審死をめぐるミステリーかと思いきや、壮絶な夫婦喧嘩に端を発する法廷劇のお話。

序盤ちょっと退屈だったけど、後半めちゃくちゃ面白かった!

落下死は父の自殺だったのか、母による殺人だったのか。そこに至るまでの経緯の"解剖"の物語であり、エゲツない夫婦喧嘩の録音や、自身の経験を書いた小説などがどんどん登場し、妻サンドラは追い込まれることに。赤いハゲの検事超有能。夫婦喧嘩のくだり、夫婦の役割分担やセックスレス問題、果ては不倫の話に至るまでリアルすぎてウッてなった。あれ聞かされるダニエル超かわいそう。

最後、息子のダニエルが散々悩み抜いて、法廷で「父は"(愛犬は)いつかはいなくなる"って言ってたけど、今思えば、あれは父自身のことだったんだと思う」という、父の自殺を仄めかすような証言をして母を守るシーンはグッときた。その前のシーンまで、「裁判まで一緒にいるの拒否!」みたいなこと言ってたぶん余計に。メインは法廷劇だけど、子供の成長が見られる映画でもある。

でも愛犬でアスピリンの実験はもう二度としないようにな!
ヒデ

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