破壊の映画。全ての出来事が一切見えることさえ許されない究極の結果だけで成り立つ孤高で崇高な映画。日常から異化した人物の動作と視線が活劇となり、ラストにはその身体と声によってのみ人間を遥か遠くから識別…
>>続きを読むキアラ·マストロヤンニの表情にもまた、世界の崩壊を垣間見てしまった者の深い諦念が到達する、ある種の透明さが宿っている。
「結局あなたにとって恋は魔法でしかないのね」
思いがけない可笑しさが一時で…
コンサート。しばし人物不在の風景。自然光を採り入れる窓。ベンチに座り横に並んでの会話。ピアノの演奏。順番見舞い。テレビを囲む。肖像を盗む。修道女との回廊。緑の静かな庭園の剪定おじさん。不穏な笛の音色…
>>続きを読む古典を現代に読替えるため、設定説明の省略、感情の省略。主題のための省略と共生するモンタージュ。男=歌手と女=夫人の付かず離れずなもどかしい恋愛劇を、モンタージュの交替だけで説明してしまう冒頭とラスト…
>>続きを読む笛吹きの彫像が映った瞬間、実際に笛の音色が響き出して爆笑した。笛の音をきっかけに男女の窓越しに視線を交わす淫靡な切り返しが行われるが、蓮實重彦が「ルノワールは、催淫的な調べを奏でる横笛として生なまし…
>>続きを読む「恋愛心理小説の祖」である原作を現代を舞台に映画化したもの。あまりに想定内の展開で進むのでつい「ひねりがない」だの「誰でも思いつく」だの考えそうになるが、そりゃ「祖」なんだからと何度も確認を要した。…
>>続きを読む途方も無い。某批評家が「オリヴェイラの撮ったものなら全て映画なのだ」と言っていたがまさにそう。登場人物たちもカメラもショットも、みんな映画でしかありえないように動いていく様にどんどん引き込まれて行く…
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