impreさんの映画レビュー・感想・評価

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ピアニスト(2001年製作の映画)

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すごい!観客に伝わるか伝わらないかのギリギリのところを攻め続けている。演奏会のリハからトイレのシーンに至るシークエンスの内容の面と表現の面での緊張感たるや。アイスホッケー場の準備室での超長回しも、長回>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

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才能やセンスではなく、題材に関する研究や勉強の質量が映画の良し悪しを決めるのだと、濱口竜介にずっと励まされ続けるような100分間だった。

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

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ワンシーンごとに自分のことを考えてしまって、ストーリーを追えなくなりそうになる瞬間が何度もあった。ここまで観客に自分事化させるのは凄いと思った。
後半はさすがによくある話すぎたけど、ベッドの上でアーサ
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ノルウェイの森(2010年製作の映画)

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菊地凛子凄すぎ。直子をやるために生まれてきたような。
村上春樹の小説、映画に向いてる気がした。意味深なのか空虚なのかよく分からない会話で関係が変わっていく感じが、実際の芝居で見るとかなり面白い。

WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

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当たり前のように泣いた。これから「好きな監督誰?」って聞かれたら、アンドリュー・ヘイって答えることにする。

異人たち(2023年製作の映画)

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「この物語を通して、子育てや親の愛、人間関係の愛、そしてそれらがどのように結びついているのか、親を通してどのように愛を学ぶかということを探りたいと思っていました。そして、世間や成長によって、人はいかに>>続きを読む

明日へのチケット(2005年製作の映画)

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ケンローチのが一番好き。キアロスタミのも何をしたいのかは分からないけど面白かった。

2/デュオ(1997年製作の映画)

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同時代の『Unloved』『おかえり』に似た題材だけどこれが一番人間の核心に迫っていると思う。やっぱりキャラクターの内面に関しては役者が1番正しい。
シーンのあとに「なんであんなこと言ったの?」ってい
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ゆめこの大冒険(1987年製作の映画)

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すごい。よく撮ったなというカットだけでできてた。

くじらのまち(2012年製作の映画)

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表現が婉曲的すぎて嫌だったけど、主人公が躁鬱病だと解釈したら乗れた。
もっと生きていることを素直に喜んでほしい

アマチュア(1979年製作の映画)

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「撮る」という行為がいかに人を傷つけ、同時に人を救うかというところまで描いていてすごい。
キェシロフスキは多分一つのテーマを見つけるとそれについて考え尽くすタイプで、その考え尽くした過程がそのまま映画
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熱のあとに(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

最近上手い映画ばかり見てたからか、ずっと「上手くないな」と思いながら見てた。
ラストはめっちゃ上手いけど。
あとこの監督とは好きなものが決定的に違うんだろうなと思った。

落下の解剖学(2023年製作の映画)

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大傑作。
真実に向かって正確に着実に進んでいく物語を、作り手も同じように真実に向かって着実に作っていっているように思えた。まさに解剖や裁判のような映画の作り方で、やっぱり映画の面白さは「正確さ」と「粘
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イーダ(2013年製作の映画)

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超好きだった。『Cold War』は省略しすぎて感情が足りない感じがしたけど、この映画は見せるべきところだけを見せてくれる感じで最高。イーダがアルト弾きの彼に見せる表情一つ一つの初恋感がたまらない。ホ>>続きを読む

サンセット(2018年製作の映画)

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ほとんど話破綻してるのにここまで面白くしちゃうスタイルを獲得したネメシュラースローは最強。ただこのスタイルで撮れる物語を作るのはめちゃくちゃ難しい。それがこの作品以降新作がない理由かも。

トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

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面白かった。
電話の盗聴、孤独な人間と犬、恋愛とか親子愛とか友愛とかに分類できない愛。やりたいこと全部やられた

渚のシンドバッド(1995年製作の映画)

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完璧だった。
本当に人と人の距離感に繊細な人が撮った映画という感じ。
映画作りの上手さと切実なテーマを併せ持つとこういう映画を作れるんだと思った。

「相原さんって、なんでも1人でできます、って感じで
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彼方からの手紙(2008年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

驚くほど乗れなかった。映画的なリズムとポップさを重視するあまり、人間としての倫理を蔑ろにしてると思った。
主人公は自他ともに認めるダメ男なんだけど、すごく恵まれた状況にいるので、まずそのダメさを愛せな
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

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ロラがピアノを弾くシーン、リオブラボーのギターのシーン、ミゲルとフリオが一緒に歌うシーンと、音楽と記憶が絡むと突然『エルスール』みたいになんでかは分からないけど泣きそうになるシーンに様変わりする。言っ>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

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かなり良かった。無口な少女と無口なおじさんが最終的に父と娘くらいの絆で結ばれていくまでの過程を、嘘なく丁寧に、かつ映画的に描いていた。1人になりたがるコットが、ショーンおじさんと一緒にいようと心変わり>>続きを読む

ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

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改めて見て、タルコフスキーはずっとノスタルジーについての映画を作っていたんだと思った。今の不幸な現実から逃れて、良かった昔に戻りたいけどもう戻れないという話。最後、ハリボテの故郷に帰るのは『惑星ソラリ>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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もう既に答えが出てる問題、もう既に答えが出ないと分かっている問題についての映画は面白くならない。これまでのランティモスは、今まさに問題としてあるような問題についての映画を作ってたのになぁ。

彼方のうた(2023年製作の映画)

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杉田協士映画を見るといつも思うけど、どうしてもこの世界に仲間入りさせてもらいたい。気遣いでできてる映画。人物と人物の間の気遣い、人物に対するカメラの気遣い。現実だと気遣いしすぎると重たく見られるけど、>>続きを読む

いますぐ抱きしめたい 4Kレストア版(1988年製作の映画)

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完全にウォンカーウァイを舐めてた。本当に面白かった。
この映画だけは、ウォンカーウァイの好きじゃないところが全部好きになる。
言いたいこと、相手が言われたくないかもしれない言いたいことを、言える強さを
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枯れ葉(2023年製作の映画)

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心の底から感動した。
いい歳した2人が初恋みたいな恋をしてるのがとてもいい。
2人とも無口だから会っても全然盛り上がらないんだけど、その盛り上がらなさが愛おしい。
ホラッパがアンサのために断酒するの、
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メランコリア(2011年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

面白すぎるし分かりすぎる。
不安なとき、世界が終わってくれたらって思うの分かる。コロコロ気分が変わって自分勝手な行動を取って周りの人から怒られて、申し訳ない気持ちと「でもどうしようもない」っていう気持
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ニンフォマニアック Vol.1 ディレクターズカット完全版(2013年製作の映画)

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大傑作。芝居の演出が世界一上手いのは言わずもがな、映画作りにおけるあらゆるイメージから解放されている。
何より、90年代にあった善意とか愛を描こうとする意志がまだトリアーにあるということを知って感動し
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鏡の中の女(1975年製作の映画)

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心の奥底の悩みに苦しむ人の姿をここまで切実にカメラに収めて、ものすごい緊張感で映画全体を構成していくのはすごい。夢のシーン含めてただごとではなかった。
ただ、主人公が老婆の幽霊を見てしまい、睡眠薬を大
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アメリ デジタルリマスター版(2001年製作の映画)

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自閉症の頭の中はこんなに魅力的だけど、いつかは外に出て行かないと本当の幸せは掴めない系映画。今村夏子の小説みたいな多幸感。自分はほんとにこういう物語が大好きだ。

シークレット・サンシャイン 4K レストア(2007年製作の映画)

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面白かったけど、揶揄が強いのが気になった。宗教関係者を明らかに変な人って感じで撮ってて、それはかなり嫌だった。それこそイチャンドンが批判している演技のさせ方ような気がした。子供の演出がいいだけに、そこ>>続きを読む

天安門、恋人たち(2006年製作の映画)

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どこかで見たことあるような話だけど、こんな感情表現の仕方は見たことがない。決して気を衒った演出をしてるわけではなくて、脚本と芝居の掘り下げの質量で持って行ってる。後半の大人になってからのパートは少しダ>>続きを読む

サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

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傑作。もうロウイエに007撮って欲しい。『ミュンヘン』に並ぶ実録スパイものの傑作。
でも終盤に出てくる「愛する人に愛されたいと思うのは愛ではなく虚栄心である」というニーチェの言葉が示しているように、ロ
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ふたりの人魚(2000年製作の映画)

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傑作。最高の恋愛映画であり、物語についての物語であり、映画においてカメラとは何かということについての映画。

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

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面白いけど愛がないなぁ。ちゃんと集中して見てた分かなり落ち込んだ。

春画先生(2023年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

完璧な脚本!前半、柄本佑の言動、存在がキモすぎて、これはコメディにはならないよと思いながら見てた。しかも貴重な春画の持ち主に弓子が体を売りに行く前、先生が「この世には鬼畜な人がいるんだよ」と言い出して>>続きを読む

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