夜行列車に乗ったカリート

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちの夜行列車に乗ったカリートのレビュー・感想・評価

3.2
マット・デイモン主演。育ちか悪い天才が周りに助けられて救われる話。良い映画なんですが、あまりリアリティはありません。

ウィル・ハンティングはマサチューセッツ工科大の清掃員。ある日、数学の難問を解いたことから大学教授に才能を見出だされるが、彼は素行不良の問題児だった。そこで心理学の旧友ショーンに相談するが果たしてどうなるか…という話。

ハートフルな映画であることは間違いなく、見終わると心が温かくなる作品です。若かりし頃のマット・デイモンが脚本を書いたようで、彼の才能と、現在も共演作のあるベン・アフレックとの友情が見て取れます。

内容はというと、良く言えば感動作。悪く言えばファンタジー。
ウィルが才能溢れる天才というのは良いと思いますが、しかしその才能ゆえに皆にちやほやされるのは、如何なものかと。

殻に綴じ込もって狭い世界で吠えている天才を、皆で温かく掬い上げる。

では彼が天才では無かったらどうか。才能も無いただの素行不良少年で、人生を斜に構えて他人と距離を置くだけの、ただのスラムの清掃員だったら。

同じように救われたか。
それとも、誰にも見向きもされず、うだつの上がらない生活を仲間と駄弁って生きていくのか。

そんな人は沢山いるし、むしろそちらの問題提起の方が現実味のある話だよなと思いながら、まさに少し斜に構えて考えてしまいました。
まぁそんなん見せられても楽しいかどうかは脚本次第ですが。

面白いことは間違いないし、他人に進められる良い映画ですが、内容は少し考えてしまう。
自分にとってはそんな映画でした。