夜行列車に乗ったカリート

ゴジラ-1.0の夜行列車に乗ったカリートのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
1.5
山崎監督作。アカデミー賞視覚効果賞を取ったゴジラ映画。
なんでこれが盛り上がってるか、全然分からないくらい面白くないヤツでした。

戦後日本。復興の兆しが見える中で突如として大怪獣ゴジラが出現。意味もなく銀座を壊して何事も無かったかのように去っていく奔放なゴジラ、なんなんあいつ。日本は一体どうすりゃいいんじゃ…というストーリー。

邦画の駄目な所が満載で、国家の一大事なのに中々に小規模な話で解決しようとする、いつもの悪いジャパンムービーです。

主人公の敷島がね、駄目なんですよまず。
邦画によくあるクヨクヨナヨナヨ系男子で、あんな情緒不安定なヤツに重要な作戦行動をまず任せないでしょ。
国家存亡に関わる大事で、超個人的な話しを持ち出す奴は信用できないし、そもそも任せる意味が分からん。もっと適任者がいたはず。

戦闘機を直す整備士が橘さんじゃなきゃ嫌だとか、わがまま言うんじゃないの。子供じゃないんだから。
「俺の戦争は終わってない…」、とかね。そんなの知らないですよこっちは。
ゴジラを出せよもっとゴジラをよ。

逃げた自分のトラウマ克服のために、ゴジラや恋人を使うなんて、超自分勝手なヤツです。戦後の日本でそんな個人主義が通っていたなんて知らなかったですよ。これが世界で上映されてるかと思うと…。
あと敷島って言葉は日本の国号なんですが、要はあいつが日本ってことですよ山崎監督は。敷島の男児かくありなん、とは全然違う人物。

米軍も米軍で、あんな大量破壊ができる新種の生物をほったらかしになんてしないでしょ。いつもサンプル採取とか直ぐするだろうが。「いやぁ今ロシアと冷戦中だからねー」、じゃ無理がありますよ。

全体的に大河ドラマを見ているようでした。
「我々は命を粗末にしすぎた。(中略)今度の戦いは死ぬための戦いじゃない。未来を生きるための戦いなんです!」って台詞があるんですが、大戦の特攻隊員だってそうだからね。知覧の特攻平和会館とか行くと、家族への感謝や、日本の未来を願う遺書がたくさん展示されてますよ。

あとCGが誉められてますが、どう見てもCG感満載です。低予算で出来たというのは評価できますが、賞を取るほどか、と。みんなゴジラ好きなんですね。
最後の戦闘は良かったです、そこくらいですね見るとこは。

どう考えても死んでるヒロインがスーパー不死身なのもいつも通り。さすが日本アカデミー賞作品。