森野樽児

コックリさんの森野樽児のレビュー・感想・評価

コックリさん(2004年製作の映画)
2.5
いじめっ子を呪い殺す為に降霊術により霊を呼び出してしまった主人公。
実際にいじめっ子たちが猟奇的に死んでいくと共に自身の身にも不気味な変化が訪れる…

邦題は「コックリさん」って言ってるけど実際どうなの?と思って調べたら、原題は日本語読みするなら「ブンシンサバ」。
意味は本当に日本語の「分身」から来てるというので面白い話。
唱える呪文も「ブンシンサバ ブンシンサバ オイデクダサイ」と言ってる(分身様 おいで下さい?)。
気になる方は原語でも確認するといいかと思います。

内容としては、韓国らしい(?)学校や村といった閉鎖空間における陰湿さや人の醜さが前面に出たホラー。
Jホラー的な不気味さも醸しつつ、ジャンプスケアもしっかり入れてきます。

そして何よりこの作品の肝、というかメインは間違いなく役者の『目力』です。
主役の子の目力が半端ないです。見つめられたらかなりゾクっときます。
大きな目って可愛い方に振れがちなんですが、大きな黒い瞳が底知れない感じがしてとっても不気味。
役者さんの他の写真見たらそんなことないので雰囲気作り凄いなぁ、と感心しました。

ただ全体の物語の印象は割とぼやっとした感じで、逆に雰囲気だけで終わった感じがしました。
シーンごとのつながりが弱いせいか、見ていて話の転換が分かりづらかったのも要因かもしれません。
霊の正体や過去の事件に迫るあたりにはある程度の意外性はあるものの、それを以てしても特にハラハラするような展開には至らず。
余韻を残すラストも、過程がそんな具合なので、なんか終わったのか終わってないのかよくわからん感じでした。

個人的には霊能力者ポジションで出てきた人がいい感じに活躍してくれたのは加点ポイントです。
ライトカチカチするやつ、正式名称わかりませんがあれが好き。

学校のいじめ、村のいじめ、という閉鎖環境において異物を排除する人間の恐ろしさはしっかり描かれてる気がするので、そういうの好きな人にはオススメです。
森野樽児

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