森野樽児

恐解釈 花咲か爺さんの森野樽児のレビュー・感想・評価

恐解釈 花咲か爺さん(2023年製作の映画)
3.0
昔話の「花咲か爺さん」をスプラッターホラーにアレンジ。

愛犬とガンで余命わずかな妻の三人でつつましく暮らしていたお人好しの"正直爺さん"が、笑わなくなった孫の為誘拐した人を自宅で惨殺し続けているサイコシリアルキラーの"意地悪爺さん"に愛犬を焼き殺され、復讐鬼となる…

って感じのあらすじですが全然復讐ストーリーじゃないです。

覚醒した花咲か爺さんの復讐シーンは0.1割くらいで、残りの9.9割は意地悪爺さんの胸糞ムービーを延々と見せられます。
ほぼこの意地悪爺さんのヤバさでこの映画は構成されていると言っていいと思います。
この爺さんの意地悪さが半端なく、サクサク人を殺しては妊婦の娘に死体処理させ、寿司屋にクソクレームをいれ、ついでに犬も焼きます。

え?意地悪ってこういうレベルのこと?

役者の演技も極まっててマジで怖いジジイです。

ただ折角の残虐シーンは予算の都合か基本場面カット。
死体はたくさん映りますが肝心のインパクトシーンはほぼ無いのが残念。
シチュエーションと役者の演技だけで見せようとする心意気は素晴らしいのですが、それが余計に低予算感を実感させたように個人的には感じます。

冒頭でも書いたように折角の花咲か爺さん覚醒も出番が少なく、活躍も少なすぎるので消化不良感は否めません。
いいビジュアルしてるんですけどね。

それでもラストの血肉の花は見ごたえがあって好きです。
どう見てもハリボテなんですけど、それでもあれはゴリ押ししてくる気概が私は気に入りました。

題材が題材なんで当然なんですが、犬も老人もついでに妊婦も胎児もめちゃくちゃ酷い目に遭いますので、それが平気な人にはオススメです。

あと借りたものは返そうと思いました。
森野樽児

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