森野樽児

オカルトの森へようこそ THE MOVIEの森野樽児のレビュー・感想・評価

4.5
映画監督の黒石、助監督の市川の二人は新作ドキュメンタリー映画の為、怪しげな隕石と謎のクラゲ生物の映像を撮ったアイドルを取材するべく怪しげな山に入るが、謎生物、霊能力者、カルト団体、スーパーボランティア、超人らが入り混じり事態はカオスに発展。いつしか映画は世界の命運を賭けた戦いに……!

頭から終わりまで白石ズムたっぷりのお祭りムービー。監督の言葉を借りるなら「白石フェス」まさにその通り。
白石作品でお馴染みのキャストやお馴染みの名前が並び、シリーズとしては独立しているものの、白石ユニバース作品とのしっかりとした繋がりを感じる世界でした。

様々な濃いキャラクターに翻弄されますが、内容的にはコワすぎ最終章のリブート的な立ち位置かと。
特殊な行動で因果を変えるは白石作品定番の流れですが、一番大規模な気がしました。
畳み掛けるような展開はいつもながらですが、今作は中々の予算っぷりなのでいつも以上に場面転換もモブキャラも多いです。

そして白石作品には欠かせない能力者達。
ナナシ、江野君もいいのですが個人的には広島蒼天先生をもっと見たかったです。
でもやっぱり一番はスーパーボランティア江野君のかっこよさ…!
間違いなく今作が個人的な宇野祥平ベストです…!

まさに白石監督の魅力が90%詰まった映画でした。

あと10%は、この映画、予算ありすぎ大作すぎ。

白石監督の味のひとつは限られた予算や時間の中で、最大限の工夫で無限の面白さを見せてくれるとこもあるかと。
この映画に全然不満はないのですが、強いて贅沢な注文を付けるなら、もっと小規模でも監督なら面白く出来たはず…!というめんどくさい感情です。

とにかく宇野祥平ファンはマスト。
森野樽児

森野樽児