e

ショコラのeのレビュー・感想・評価

ショコラ(2000年製作の映画)
4.1
厄介者たちは天使か悪魔か。
エキゾチックなジプシースウィングに乗せて、幸せについての物語がコミカルに描かれました。

旅を宿命付けられた母娘が、凍える北風に乗って川沿いの小さな村へ越して来ます。チョコレート店を開く為でした。
村は歴史と規律を重んじる村長のレノ伯爵が治めています。

母娘は出自の文化に従い、伯爵の重んじる礼拝も断食も行いません。
それでも、少しずつ村人達との交流が始まると、数々の問題が規律や忍耐の下に隠れているのを知ります。
母娘はチョコレートの甘い誘惑を武器に、彼らを癒そうと取り組みますが、厳格なレノ伯爵は母娘を悪として追放しようと動き始めます。

宗教や民族、家族問題などが絡み合い解決の糸口が見えない中、川辺にロマの一団が流れ着きました。
素朴ながら閉鎖的で暗かった村も、少しずつ彩りを増やしていきますが、レノ伯爵もまた自身の価値観に従い変化への抗いを強めていって。

息詰まる問題もありながら、フォークロア流の気ままさや、刺激的なシーンもあり、とても楽しめました。
フランス語と英語の混在も吹き替えと思えば違和感は少なかったです。

たまには繰り返しやルールを抜け出して、ホットチョコで温まってみたいなんて思いました。そのときはチリ入りで。
ピリッと甘い、大人のファンタジーでした。
e

e