ヒデ

ロスト・イン・トランスレーションのヒデのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「二度と東京には来ない。今回が楽しすぎて」

ウィスキーのCM撮影で日本に来たハリウッド俳優・ボブと、カメラマンの新妻として来日したシャーロットの、数日間の恋物語。

大人な恋愛映画だった…。2003年の東京を舞台に、歳の差のある2人が偶然巡り会う。派手な恋愛ではなく、お互いパートナーを持つ者同士の"恋愛未満"の関係。スカーレット・ヨハンソンが綺麗で美しい。妻からクソどうでもいい絨毯のこととかで国際FAX来る中、安易に道を外さないボブも渋くて格好良かった。(途中一回バーのシンガーとやらかすが)

最後のシーンが非常に印象的で、夕方の新宿西口ぽい雑踏の中、ボブがシャーロットの耳に何かを囁きキスをするシーン。そこだけ字幕がないのがなんとも良くて、想像力を掻き立てられた。エモい街並みと抱き合う二人のアップの表情にグッと来る。

外国人から見た日本イジリもちょくちょく入っていて、しゃぶしゃぶの店を「まさか自分で料理する店とはな!」とけなしてたのには笑った。あとCM監督のダイヤモンドユカイとマシュー南は不意打ちすぎるw

個人的な意見だけど、この映画は学生の頃に観なくて良かった気がする。これはきっと自分がしわがれた親父になった時、傑作に思える映画だから。


以下、セリフメモ。


「なぜ東京に?」
「妻から逃れ息子の誕生日を忘れ、200万ドルのギャラでウィスキーのCMに出てる。…CMより芝居に出るべきだが」

「なぜ日本人は"RとL"の発音が苦手なの?」
「わざとやってるんだ。間違った発音で楽しみたいのさ」

「子供ができると結婚は複雑になるよ。初めて子供が生まれた日は恐ろしかった。今まで慣れ親しんだ生き方はもう終わり。二度と戻らない」

「自分を見失った。まずは食生活から健康に。もうパスタは嫌だ。日本食のような食事がいい」
「東京に残れば?毎日食べられるわ」

「"いい旅を"とか言ってくれないのか?」
「ええ…そうね」
ヒデ

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