寺町今出川

悪は存在しないの寺町今出川のレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.8
濱口竜介監督作品は短編含め9作品鑑賞してるが個人的な好みとしては真ん中くらいかな。特に今作は分かりやすくとっつきのいい作品だと感じた。私の濱口作品に対する魅力は、人間関係の曖昧さ危うさと不可思議さ…それを抜群の構成力、引き込まれる会話劇、多角的な見せ方、映像表現の巧みさ…で見せてくれる所。その軸は今回もあまりぶれてない様に思った。ただ、今作では都会と地方、自然と人間、と言うとっかかりが凄く今日的そして恒久的で濱口作品観た事無い人でも面白いのでは?そして海外の人でもすんなり物語世界に入っていけるのでは?と感じた。印象的に今作はよりヨーロッパ映画のテイストを感じる…タイトル出た時に感じたのはゴダール?カメラワークや風景描写は北欧映画?台詞運びは今回もイタリア式本読み?…ラストは珍しく驚く様な閉め方でけっこう衝撃的…と同時に解釈も観客にがっつり投げかけて来てくれて余韻が残った。ドライブ・マイ・カーに続いて劇伴も良かった
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