森野樽児

戦慄怪奇ワールド コワすぎ!の森野樽児のレビュー・感想・評価

4.5
言わずと知れた暴走心霊ドキュメンタリーシリーズの最新作にして最終作。毎度お馴染みの3人組が謎の怪異「赤い女」の調査に乗り出しまたまた次元を超えて大活躍!てな具合。

いつものメンバーは登場するも『コワすぎ』『超コワすぎ』とも違う別世界のお話だそうで、その違いがちょこちょこニヤリとさせる部分もありファンには嬉しい所。とはいえ本作がシリーズ完結の集大成かと言われたら、それには納得がいかないかなって感じです。

話のギミック的にはコワすぎ!FILE04の『真相!トイレの花子さん』のリバイバルというかセルフオマージュとなっており、映像はパワーアップしてるものの目新しさはそこまで…。
また尺の都合はあるとは言え、コワすぎチーム自体の話があまり無かったのが残念。強烈な新キャラクターの登場や性加害というテーマを語る中ではなかなか難しいとは思うものの、やはり工藤市川田代のトリオに惚れてシリーズ追ってきた身としてはもの足らなさを感じずにはいられませんでした。

じゃあ不満な映画だったか?と言われたら全然そんな事はなく、見終わって改めて『コワすぎ!』の唯一無二の魅力を思い知った次第。
目新しさは無いなんて言いましたけど、それでも飽きさせずずっと画面を追ってしまうテンポの良さと勢いは健在で、本当にあっという間の一時間でした。劇場で見たらきっと勢いに圧倒されて初見じゃ全然追えなかっただろうなぁ、と二周目見ながら思ったり。
そして鬼村先生や珠緒師匠というインパクトしかない霊能力者達。こんなん見たら好きにならざるを得ない。スピンオフ求む。

モノ足らないのも事実ですが、『コワすぎ!』でしか得られない栄養素がこれでもかと詰め込まれたのもまた事実。
そういう意味では個人的にはボーナストラックというかファンディスクみたいな立ち位置かなと思いました。
本当に減点ポイントがあるとすれば、これがシリーズ最終作であるとこ。新シリーズの幕開けなら満点の作品です。是非、新作を。
森野樽児

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